2026.8.17
第15回 紙から考える森・資源・わたしたちのくらし(3)商品から考える、選んで応援する買い物とは?
「紙から考える森・資源・わたしたちのくらし」では、身近なトイレットペーパーやティッシュペーパーを入り口に、森のしくみやリサイクル、国産材、FSC認証などについて理解を深め、買い物を通じて“応援”する方法を考えていきます。
1回、2回と身近な紙製品が「何からできていて」「どんな意味があるのか」を調べました。今回の「(3)商品から考える、選んで応援する買い物とは?」では、いろいろな商品がもつ特徴やその裏側にある物語を知り、「毎日の買い物での小さな選択」を積み重ねる大切さについて考えます。
連載の前の回はこちら
(1)ティッシュとトイレットペーパーは、何からできているの?
(2)リサイクル紙と国産材の紙、どちらがいいの?

もくじ

身近な紙製品、実際にはどんな商品が多い?

お店には古紙が原料の商品が多いみたい!
日本製って書いてあったから、日本でつくられたものかな?
再生パルプでないものは、バージンパルプ、天然パルプ、純パルプ、フレッシュパルプなど、いろんな表示があるみたい。
原産国は日本って書いてあるけれど、インターネットで調べてみたら、ほとんどのパルプは外国産みたいだね。

もちろんこれは悪いことではありません。 古紙を使うことは、資源をむだにしない大切な方法です。 外国からパルプを輸入することで、安定して紙を作ることもできることも、皆さんは知っていますね。
なぜ、原料まで国産の紙は少ないの?

まず、日本の山から木を切り出して、工場まで運ぶには手間とお金がかかります。山の道が細かったり、木を運ぶ人が少なかったりする地域もあります。
また、ティッシュやトイレットペーパーは、毎日使う日用品です。たくさんの人が買うものなので、値段が高すぎると選ばれにくくなります。国産材を使うと、どうしてもコストが上がりやすい場合があります。
さらに、紙を作るには大きな工場や設備が必要です。木をパルプにして、紙にして、ティッシュやトイレットペーパーに加工するには、高い技術と大きな設備が必要です。

もっと見つけて、選ぶことができれば、いいのにな。
商品に込められた物語を知ろう!

最近はインターネットなどで、その商品についてさまざまな情報を知ることができます。私もいくつか”物語”のある商品を見つけたので、紹介しますね。
▶①三菱製紙株式会社「ナクレ」
「ナクレ」は、主に東北地方の国産材を使ったティッシュペーパーやトイレットペーパーです。原料の木材を調達し、岩手県にある北上工場でパルプにし、紙にして、製品にする流れを持っています。2026年のソーシャルプロダクツ賞も受賞しました。


広葉樹のパルプが多いので、ふんわりとして使い心地もいいんですよ。

なんと、「竹」でつくられたトイレットペーパーです!
▶②おかえり株式会社「バンブーロール」
「バンブーロール」は、竹の繊維からつくられたトイレットペーパーです。竹は再生力が高く、成長が早いため、木材資源への負荷を抑えられる素材として注目されています。



地産地消という考え方

「地産地消」という言葉を聞いたことがありますか。
はい!地産地消とは、その地域で作られたものを、その地域で使うことです。
野菜やお米とかでよくきくかな。



地域の森を手入れする人、木を運ぶ人、工場で働く人、お店で売る人、使う人が、ひとつのつながりの中に入ります。
そこで、国産材、輸入材に関わらず、木を切ったあとに森を育てること、動物や植物のすみかを守ること、水や土を守ること、働く人や地域の人を大切にすることが必要です。


| 商品・自治体 | 地産地消ポイント | 返礼品例 |
|---|---|---|
|
ナクレ 岩手県北上市・大槌町・金ケ崎町 | 国産木材100%、岩手県産パルプを主原料に岩手県内の工場で生産。 岩手県内のFSC認証木材も一部受入。 | ティッシュ、トイレットペーパー、ハンドタオル |
|
せんだいリサイクル 宮城県仙台市 | 仙台市内で回収した古紙を主な原料とした、 オリジナルのトイレットペーパー。 | シングル96ロール、ダブル96ロール |
|
コトブキ製紙 佐賀県小城市など | 古紙100%の再生紙トイレットペーパー。 地域循環やリサイクルの取り組みを通じて、環境に配慮。 | 2倍巻トイレットペーパーなど |
|
BambooRoll 神奈川県鎌倉市 | 竹100%・無漂白のトイレットペーパー。 鎌倉市から生まれた商品。ただし、原材料は中国産の竹なので、 「紙の地産地消」というより「サステナブル素材」の事例。 | 竹100%トイレットペーパー18ロール |
商品を選んで「実現したい社会」を応援しよう
これまで値段やステキなパッケージとかで選んでたけど、ちょっと考え方が変わったかも?
家族がいつも買ってくるのに任せていたけれど、自分でも選んでみたいな。

再生紙の商品を選ぶことは、紙のリサイクルを応援することにつながります。
FSCマークのついた商品を選ぶことは、「森と、森と共に生きる人々を守るしくみ」を応援することにつながります。
国産材を使った商品を選ぶことは、日本の森や地域の産業を応援することにつながります。
こうした小さな選択が、森や資源を守ることにつながっていきます。

ふくろう先生のアドバイス

第1回では、紙の原料にはパルプと古紙があること、そして表示の読み方などを学び、「日本製」と「日本の木から作られている」が違うことも知りました。
第2回では、リサイクル紙と国産材の紙には、それぞれ違ったよさがあることを学びました。どちらか一つが正解なのではなく、資源の使い方を考えることが大切です。
第3回では、さまざまな商品を通して、森、地域、工場、買い物がつながっていることや、物語のある商品を選ぶことで社会にいい影響を与えられることを知りました。

紙を使うとき、少しだけ考えてみましょう。
この紙は、どこから来たのだろう。
何から作られているのだろう。
どんな森や地域とつながっているのだろう。
自分は、どんな商品を選びたいのだろう。
その小さな問いが、森を守る一歩になります。
最後に「考えてみよう」
1. 「国産」と聞いたとき、みんなは何を想像する?
「日本で作られた商品」と「日本の原料で作られた商品」は、同じでしょうか。違うでしょうか。
ティッシュやトイレットペーパーのような身近な商品で、「国産」と書かれていたら、どこまで日本のものだと思うか話し合ってみましょう。
考えるヒント:
・工場が日本にあれば国産と言える?
・原料の木も日本のものだったら、より国産らしい?
・パッケージには、どこまで書いてあるとわかりやすい?
2. リサイクル紙と国産材の紙、どちらを選びたい?
一度使った紙をもう一度使うリサイクル紙と、日本の森の木を使う国産材の紙。
どちらにもよいところがあります。自分だったら、どんな場面でどちらを選びたいか考えてみましょう。
考えるヒント:
・トイレットペーパーならどちらを選ぶ?
・顔をふくティッシュならどう?
・値段が少し高かったら、それでも選ぶ?
・環境にやさしいとは、どういうこと?
3. 買い物で森を応援するには、何ができる?
わたしたちが商品を選ぶことは、森や地域を応援することにつながります。
では、子どもたちにもできる「森を応援する買い物」には、どんな方法があるでしょうか。
考えるヒント:
・FSCマークを探してみる
・再生紙の商品を選ぶ
・国産材を使った商品を調べる
・必要以上に使いすぎない
・家族に商品の背景を伝える
買い物は、大人だけのものではありません。
「知ること」「選ぶこと」「伝えること」は、子どもたちにもできる“森への応援”です。
第15回 森と紙のひみつを学ぼう!
今回はこちら>(3)商品から考える、選んで応援する買い物とは?
(1)ティッシュとトイレットペーパーは、何からできているの?
(2)リサイクル紙と国産材の紙、どちらがいいの?
実際にどんな商品が世の中に流通しているのか、探してみましたか?