2026.8.17

第15回 紙から考える森・資源・わたしたちのくらし(2)リサイクル紙と国産材の紙、どちらがいいの?

「紙から考える森・資源・わたしたちのくらし」では、身近なトイレットペーパーやティッシュペーパーを入り口に、森のしくみやリサイクル、国産材、FSC認証などについて理解を深め、買い物を通じて“応援”する方法を考えていきます。

前回の「(1)ティッシュとトイレットペーパーは、何からできているの?」では、身近な紙製品の表示を調べることで、それぞれに意味があることがわかりました。今回の「(2)リサイクル紙と国産材の紙、どちらがいいの?」では、それぞれの製品の特徴ごとに「良い点」や「課題」などを掘り下げて考えてみましょう。

連載の前の回と次の回はこちら
(1)ティッシュとトイレットペーパーは、何からできているの?
(3)商品から考える、選んで応援する買い物とは?

古紙を使うと、なぜよいの?


 
みなさんは、古紙回収を見たことがありますか。

家の前に古新聞を出したり、
学校でプリントを集めたり〜

地域の資源回収に紙を出したこともあるし、
いろいろしているよ!

古紙は、ごみではありません。
もう一度、紙に生まれ変わることができる大切な資源です。

古紙を使ってトイレットペーパーを作ると、一度使った紙をむだにせずにすみます。
ごみを減らし、資源をくり返し使うことができます。これは、リサイクルの大きな“よいところ”です。
(イメージ写真)

リサイクル紙のよいところはどんなところ

リサイクル紙のよいところは、すでにある紙をもう一度使えることですよね!
そうですね!
紙をごみにしないで、資源として活かすことができます。
だから、新しく木を使う量を減らすことにつながります。

特にトイレットペーパーは、古紙を使いやすい紙製品の一つです。
ふだん何気なく使っているトイレットペーパーの中にも、回収された紙から作られたものがあります。

リサイクル紙にも課題がある

じゃあ、全部の紙をリサイクル紙にしたらいいんじゃないかなあ。
実は、リサイクル紙にも課題があります。

古紙をもう一度使うためには、インクや汚れ、ホチキスの針、ビニールなどを取り除く必要があります。そのために、水やエネルギーを使います。中でも化石燃料由来のエネルギー消費量は、古紙の方が多いともいわれています。 紙の種類や状態によっては、きれいな紙にするために、かえって環境に負担をかけてしまうというわけですね。
それはちょっと残念かも!
 
また、ティッシュのように肌に直接ふれる紙では、やわらかさや白さ、清潔感が求められたり、紙パックなど強度が必要とされたりすることもあります。
リサイクル紙は大切ですが、すべての紙製品に向いているわけではないんです。
 
(イメージ写真)
リサイクル紙にも課題はあるのね。

木材を使うなら、国産材がいいの?

木を使う必要があるなら、国産材を使ったらどうかなあ。
日本には木がいっぱいあるし。
確かに、日本は国土の約66%が森林で、木は重要な資源と言えます。
しかしながら、ここ数十年は山の手入れをする人が減ったり、木を切って運ぶのにお金がかかったりして、十分に使われてきませんでした。
その結果、森が荒れてさまざまな問題が生じています。
木を切らないことで、問題になるなんて!
 
だから国産材を紙に使うことには、下記のように大切な意味があります。

・日本の森の木を使うことで、山の手入れにつながる
・地域の林業や工場を応援することにつながる
・どこの木を使っているかがわかりやすくなる
・外国からの木材に頼りすぎなくなる
でも、先にお話ししたように、国産材は伐採や加工にかかる費用が高く、製品化しにくいという事情があります。
そのため、日本の木材自給率は約4割ですが、紙の原料となるパルプ・チップ用材では16〜17%にとどまっています。 ※出典:林野庁「木材需給表」「森林・林業白書」
 
日本の木を使うことにも、課題があるんだなあ。
輸入材についても「いいところ」と「課題」があり、価格だけでなく、環境配慮や地域とのつながりなど、何を大切にするかを考えながら選ぶ必要があります。
輸入材と国産材のメリット・デメリット
(イメージ写真)

「森を守りながら、木を使い続ける」という選択肢

 
木を切ると、それだけ森に木がなくなるということでもあります。
そこで、国産材、輸入材に関わらず、木を切ったあとに森を育てること、動物や植物のすみかを守ること、水や土を守ること、働く人や地域の人を大切にすることが必要です。

そこで大切になるのが、FSC認証のようなしくみです。
なるほど!
FSC認証は、森を守りながら、木を使い続けるための国際的なしくみです。
木を切ってはいけない、ということではありません。
むしろ、森を大切に管理しながら、木を使い、また森を育てていく考え方です。

FSCマークがついた紙製品は、適切に管理された森の木や、古紙などのリサイクルされた原材料、問題のあるところから来ていないか確認された木などから作られたことを示しています。

このマーク、みたことあるよ!

紙のパッケージとかについているよね!

 
ここで大切なのは、わたしたちの買い物が、森とつながっているということです。

・FSCマークのような認証製品を選ぶ。
・再生紙の商品を選ぶ。
・国産材を使った商品を選ぶ。
・長く使えるものを選ぶ。
・むだづかいをしない。

こうした小さな選択が、森や資源を守ることにつながっていきます。

ふくろう先生のアドバイス

リサイクル紙と国産材の紙は、どちらか一方だけが正解ではありません。

リサイクル紙には、一度使った紙をもう一度活かすよさがあります。
国産材の紙には、日本の森や地域を支えるよさがあります。
さらにFSC認証には、森を守りながら木を使うしくみを広げるよさがあります。

「安いから」「白いから」「なんとなくよさそうだから」だけで選ぶのではなく、その紙がどこから来て、どんな資源を使い、どんな森や地域につながっているのかを考えることが大切です。

ミニ活動:調べて話し合ってみよう!

 
2つの商品を比べてみましょう。

A:再生紙を使ったトイレットペーパー
B:国産材パルプを使ったトイレットペーパー

比べるポイントとして次のようなことがあります。
・原料は何か
・使い心地はどうか
・価格はどうか
・環境によい点は何か
・気になる点は何か
・認証マークはついているか

どちらがよいかをすぐに決めるのではなく、それぞれのよさや課題などを見つけて議論してみましょう。
実際におうちで使っている製品を比べてみてもいいですね。

第15回 森と紙のひみつを学ぼう!
今回はこちら>(2)リサイクル紙と国産材の紙、どちらがいいの?

前の回と次の回はこちら
(1)ティッシュとトイレットペーパーは、何からできているの?
(3)商品から考える、選んで応援する買い物とは?

FSC C011851

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