FSC®認証製品の種類と表示

FSC認証では、厳しい基準のもとで適切に管理された森林から生産され、さらに全ての流通・加工の工程で正しく管理された製品を「FSC認証製品」としています。ここではFSC認証製品の種類と表示について、特に私たちの生活に身近な存在である紙・紙製品を中心に紹介します。


【FSCの森の生産品】 木材のほか多種多様な非木材林産物も対象

FSC製品には木材製品や、パルプ・紙製品、非木材製品の3種類があります。これらには、FSC FM認証を受けた森で生産された原料が使用され、FSC CoC認証を受けたルートで流通・加工されています。

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FSC製品は、認証取得の際に「CoCに関するFSC認証規格」の付録にある「FSC製品分類」に則して登録するようになっています。FSC製品分類には、木材製品、パルプ及び紙製品、非木材林産物の3つのカテゴリがあり、それぞれ加工形態や用途などで細かく分類されています。

細かく分類して登録することで、FSCデータベースで必要とするFSC製品を検索し、認証取得者を容易に見つけられるようになっています。

多種多様なFSC製品が登録され、検索が可能

 

【FSCの紙と紙製品】 森林環境に配慮した紙が企業の注目を集めている

様々なFSC製品の中で、最も多く生産され、購入されているのが「紙」です。特にCoC認証を取得している印刷事業者等による購買率が高く、オンラインショッピングの普及・拡大を背景にパッケージ用の紙の需要が伸びています。

この背景には、FSCの設立から20年以上経ち、信頼性の高い森林認証として世界中の市場で認識されるようになってきたこと、さらに、近年のSDGsへの世界的な関心の高まりや、グリーン購入法・環境配慮契約法及び環境配慮促進法などの影響もあり、持続可能性に配慮した調達を行おうという企業が増えてきたことがあります。具体的に紙の環境配慮調達ガイドラインを設定し、到達目標を掲げる企業も登場してきました。

★各社の取り組みについて紹介しています。

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【FSCミックス紙とリサイクル紙】 森のリサイクルと紙のリサイクル

FSCのラベルには原料に応じて大きく「100%(ピュア)」「ミックス」「リサイクル」の3種類があります。FSC認証紙として流通しているのは、ほとんどが「ミックス」と「リサイクル」です。

●FSCリサイクル紙

FSC認証では、古紙を再利用して紙を製造することについても新しく木を伐採する必要がないため、間接的に森林保護につながると考えており、回収原材料を100%使用したリサイクルペーパーについても、適正な管理の下、FSCリサイクルラベルを付けることが可能です。

原料として認められているのは、 FSCの規格で認められている次の回収原材料です。

 ・市中回収(ポストコンシューマー)
  家庭や企業、公共機関などから回収された古段ボール、古雑誌、古新聞、書類などの古紙や古材
 ・産業回収(プレコンシューマー)
  工場内などから出る栽落や過剰発行の印刷物、出版社の余剰品・返品などの古紙

なお、産業回収(プレコンシューマー)の古材も混ぜることはできますが、FSC原料割合には寄与しません。FSCリサイクル原料材の割合が70%以下となったときは、ラベルの使用はできません。(取引先向けの伝票上のみで「FSCリサイクル○%」と表示可能)また、少しでもバージンパルプ(FSC認証材・FSC管理木材)を使用している場合は「ミックス」になります。  

リサイクル材使用を表すメビウスループ(下図)でリサイクル材の含有率を記載する場合は、ポストコンシューマーとプレコンシューマーの割合に関わらず、両者を合わせての表示(70〜100%)になります。

●FSCミックス紙

FSCミックスラベルは、FSC認証材に加え、FSCが認めている適格な原材料を複数ミックスして使用している製品につけられます。原材料については優劣がつけられており、後で紹介する「FSC表示管理システム」によって厳密にFSCラベルの表示の仕方が決まっています。FSC原料材の割合が70%以下の場合は、ラベルの使用が認められていません。(取引先向けの伝票上のみで「FSCミックス○%」と表示可能)

適格な原材料とは、次の5種類です。

 1)FSC認証材(FSC認証森林からの原材料)

 2)FSCリサイクル材(建築解体材など)

 3)FSCミックス材(FSC認証材、管理木材、FSCリサイクル材などが混ざったもの)

 4)FSCの規格で認められている回収原材料
 ・市中回収(ポストコンシューマー)
  家庭や企業、公共機関などから回収された古段ボール、古雑誌、古新聞、書類などの古紙や古材
 ・産業回収(プレコンシューマー)
  工場内などから出る栽落や過剰発行の印刷物、出版社の余剰品・返品などの古紙

 5)FSC管理木材(FSC規格に適合した管理木材)
 FSCの基準に照らして、次の5項目に該当しないと第三者機関が認めた木材のこと。
 ① 違法に伐採された木材
 ② 伝統的権利及び人権を侵害して伐採された木材
 ③ 管理活動により高い保護価値(HCV)が脅かされている森林からの木材
 ④ 人工林または森林以外の土地利用に転換されている森林から木材
 ⑤ 遺伝子組み換え樹木が植えられている森林からの木材

なお、産業回収(プレコンシューマー)の古木や、FSC管理木材(非FSC認証材)は混ぜることはできますが、FSC原料割合には寄与しません。

リサイクル材使用を表すメビウスループ(下図)でリサイクル材の含有率を記載する場合は、ポストコンシューマーとプレコンシューマーの両者を合わせた数字になります。

例:ポストコンシューマー20%+プレコンシューマー10%=30%の表示。

FSCのミックス紙・リサイクル紙は、FSC認証紙の不安定な供給状況への対策として2004年に新しく設けられた仕様で、FSC認証材のみで作られた「FSC100%」と表示される紙と同様、「森林環境、人権、先住民族などに配慮して適切に管理された生産品」であることに変わりません。かつて市場に流通する古紙の古紙原料配合率未達問題などもあり、適切な管理が求められていたことを受けて、FSCでもリサイクル、ミックス紙についての管理制度が整備されました。

 

【FSC表示管理システム】 厳密な管理システムでFSC製品の品質を保証

FSC表示の管理システムは、トランスファーシステム、パーセンテージシステム、クレジットシステムの3つがあり、認証取得者の業務内容や取り扱う製品に合わせた適切な方法で管理します。

■トランスファーシステム

加工を伴わずFSC認証製品を売買する場合(卸業、商社等)やFSC認証材料のみでFSC認証製品を生産する場合(ノートや本など)に適用されます。

【対象例】商社、印刷会社等

原材料の表示カテゴリのうち、最も低い表示カテゴリが適用されるシステムとなっています。

例:FSC 100%+FSCミックス70%=FSCミックス70%

FSC 100%+FSCリサイクル100%=FSCリサイクル100%

■パーセンテージシステム
FSCミックス製品またはFSCリサイクル製品の加工・生産時に、使用された原材料のうち、FSC原材料の割合(%)を管理する際に適用されます。

【対象例】製紙会社、印刷会社等

FSC原材料とみなされるのは、FSC100%、プレコンシューマー回収古紙、ポストコンシューマー回収木材&古紙、FSCミックス材、FSCリサイクル材です。なお、プレコンシューマー回収木材および管理木材はFSC認証製品に混ぜることはできますが、FSC原材料割合には含まれません。

原材料のうちFSC原材料の割合が厳密に計算されて表示されます。なお、FSC認証製品としてラベルが表示できるのは70%以上であり、70%未満の場合、FSCミックス製品として販売することは可能ですが、ラベルを付けることができません。パルプなどの半製品では、その時点ではラベルを付ける必要がないため、70%以下の製品も売買されています。また、FSC原材料以外の30%には上記に該当しない非認証材を混ぜることができますが、なんでもよいというわけではなく、FSC管理木材である必要があります。

例:FSC 100%を7単位+FSC管理木材を3単位=FSCミックス70%

FSC 100%を2単位+FSCミックス70%を4単位+管理木材を2単位=FSCミックス60%(ラベルは使用できず)

■クレジットシステム
購入(インプット)したFSC認証材量に相当するFSC認証製品を生産(アウトプット)する権利を得る仕組みです。

【対象例】製紙会社等

銀行口座にお金(クレジット)を預けて、同じ分の金額(クレジット)を引き出すイメージにといえばわかりやすいでしょう。あらかじめ決められた表示算定期間(3ヶ月以内)で、表示に寄与できるFSC原料材を口座に加算し、生産・出荷されたFSC認証製品に寄与できる量を口座から差し引きます。その際、加工による目減り分も考慮します。なお、クレジットがなくなった後は、残りの製品を「FSC管理木材」として他のCoC認証取得者に販売することができます。

そのため、このシステムでは、毎年の監査において、製品に使用した認証材量と販売した製品量が適正かどうかを評価・確認します。また、認証材以外の木材購入についても「FSC管理木材」として厳しく社会や環境への配慮を求められています(詳しくはこちら)。つまり、この表示管理システムが導入されている事業者で使用されている木材原料の全てが、FSCの規格の下に厳しく管理されていることになります。

もっと詳しく知りたい場合はFSCジャパンへお問い合わせください。

FSC C011851