2022.8.2

第11回 「FSC」をテーマに自由研究に取り組もう

夏休みの自由研究のテーマに、森を守りながら利用し続けるための制度である「FSC®認証」を取り上げてみてはいかがでしょうか。楽しく体験しながら取り組める研究方法として、「FSCマークを集める」「FSC認証の材料で作ってみる」「FSCの森に触れる」という3つの方法をご紹介します。

もくじ

研究①FSCマークを集めてみよう


 
夏休み中、「FSC認証」をテーマに自由研究をやってみたいな。何かよい方法はないかな?
まず手軽にできることとして、身近なところにあるFSCマークを集めてみるのはどうでしょうか。
FSCマークって、FSC認証を受けた森の木を、認証を受けたルートで加工したものにだけ付けることができるんだよね。
 
はい、そのとおりです。スーパーマーケットやコンビニエンスストアに行くと、FSCマークの付いた製品がたくさん見つかります。例えば、お菓子やアイスのパッケージ、牛乳やジュースの紙パック、ノートやティッシュペーパーなどの紙製品などに注目してみると、いろいろ見つかるでしょう。また、洋服や雑貨を買ったときにレジでもらうショッピングバッグ、宅配で届く段ボール箱などに付いていることもあります。

「発見!FSCマーク」の記事では、テーマ別にFSCマークの付いた製品を紹介しているので、お店で探すときの参考にしてくださいね。

▶「発見!FSCマーク」
https://shitte-erabo.net/fscproducts/fscmark/
「アイス編」「お買い物バッグ&箱編」「チョコのお菓子編」など種類別にまとめています。

ふむふむ、いろんな種類の製品に見つかりそうだね。
FSCマークをたくさん集めたら、それらを製造・販売しているのはどんな企業か、チェックしてみてください。そして、その企業のWebサイトで、ほかにどんな製品にFSC認証紙を使用しているか、なぜFSC認証紙を使用しているのか、などを調べてみましょう。
 
近年、SDGs(持続可能な開発目標)が注目されていますが、FSC認証材の使用もSDGsの達成に寄与する取り組みの1つです。企業でも持続可能な社会づくりに貢献しようという動きが活発になっていて、その内容は企業のWebサイト等で発信されています。FSC認証紙の使用について書かれていることも多いので、確認してみてくださいね。
Webサイトを見ると、企業は社会への影響も考えながら、ものを作ったり売ったりしていることがわかるね。
そうなんです。
では、私たち消費者が、持続可能な社会のためにできることは何でしょうか? その1つが、FSCマークの付いた製品を選んで買うことでしょう。自由研究のレポートには、ぜひ皆さん自身の考えも入れてまとめてくださいね。

研究②FSC認証の材料で作ってみよう


 
僕は、作品を作るタイプの自由研究をやってみたいな。
 
それでは、FSC認証の材料を使って作品を作るのはどうでしょうか。
 
例えば、「西粟倉(にしあわくら)森の学校」では、FSC認証材を使った工作キット「ヒトテマキット」をネットショップで販売しています。スプーンやフォーク、はし、皿、えんぴつなど15種類のキットがあり、ノコギリなどの大きな道具を使わなくても、彫刻刀やクラフトナイフで作ることができます。
 
材料にFSC認証のヒノキの間伐材(森を元気にするために木々を間引く過程で発生する木材)を活用し、木材を有効活用しているのも特徴です。
 
大切な木を無駄なく活用しているんだね。

▶西粟倉森の学校オンラインショップ ヒトテマキット 
https://morinogakko.jp/category/item/diy/hitotema/

スプーンの製作イメージ(写真提供 株式会社 西粟倉・森の学校)
 
また、WWFジャパンの通販「PANDA SHOP(パンダショップ)」では、山梨県産FSC®認証材を使った靴ベラ作製キットが販売されています。作り方は、栗の木の材料を、附属の紙やすりを使って形を整えていくだけ。刃物を使わずにできるので、小さな子どもでも取り組みやすいでしょう。出来上がったら、おうちの方へのプレゼントにもいいですね。

▶PANDA SHOP 靴ベラ作製キット ※在庫がなくなり次第販売終了
https://shop.wwf.or.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?pid=13059600#

丈夫で味わいのある栗材を使った靴ベラ製作キット
(2点とも写真提供 WWFジャパン)
また、料理に興味がある人は、FSCの森の恵みを使った料理体験も楽しそうです。
 
宮崎県諸塚村(もろつかそん)は村ぐるみでFSC認証を取得していますが、その森で栽培された「乾(ほし)しいたけ」もFSC認証を取得しています。食品でFSC認証を取得する例は珍しいですが、森は木材だけではなくさまざまな恵みをもたらしているんですよ。
 
FSC認証しいたけはオンラインショップで購入できます。さまざまな森の恵みをたっぷり使って料理したり、しいたけを使ったオリジナルレシピの開発に挑戦したりしてはいかがでしょうか。
 
近年、SDGs(持続可能な開発目標)が注目されていますが、FSC認証材の使用もSDGsの達成に寄与する取り組みの1つです。企業でも持続可能な社会づくりに貢献しようという動きが活発になっていて、その内容は企業のWebサイト等で発信されています。FSC認証紙の使用について書かれていることも多いので、確認してみてくださいね。

▶もろっこはうすオンラインショップ
https://shop.morokkohouse.jp/

パッケージにFSCマークのついた乾しいたけ
料理例(2点とも写真提供 もろっこはうす)
ものを作るだけでなく、材料となるFSC認証材がどのように生まれ育まれているかも調べて、森とのつながりを感じながら取り組んでみてください。作品への愛着もいっそう大きくなると思いますよ。

研究③FSCの森を訪れてみよう

FSCの森(FSC認証の山林)がどんなところか、実際に行ってみたいな。
 
FSCの森がある地域には、森とふれあうことができる施設を設置したり、エコツアーやものづくり体験などを実施したりしている場合もあります。いくつかご紹介しましょう。
※ご紹介内容は記事公開時点のものです。最新情報はWebサイトなどでご確認ください
わあ、教えて!
 
北海道下川町は町の面積の約90%が森林で、すべての町有林と一部の国有林や私有林でFSC認証を取得しています。町には、そんな森を身近に感じられる企画がたくさんあるので、FSC認証材で作ったエコハウスに滞在したり、森を散策したり、好みに合わせて体験してみてはいかがでしょうか。

▶北海道下川町でできる体験例

〇美桑(みくわ)の家(エコハウス美桑)
ほとんど下川生まれのFSC認証カラマツ材を使って建てられた、宿泊も可能なエコハウス。地元のものを使ったり、バイオマスエネルギーを取り入れることで、CO2排出を削減に一役買っている。

〇季節の森歩き
林業の町・下川の人工林や自然林などの森を徒歩や車でのんびり散策。景色を楽しんだり、生き物を観察したり、下川町での暮らしや林業の話をしたり、ご希望に合せた対応も可能。

〇森の精油づくり
実際に森に入り、下川町の木である「トドマツ」を採取した後、屋内で蒸留器を使って精油を抽出する。できた精油(約3ml)はビンに詰めて持ち帰り可能。

※所要時間、料金、定員などはWebサイトでご確認ください。
上記の例のほか、「リバーウォーク」「マイはしづくり」「コケリウムづくり」など多彩な体験プログラムがあります。
http://www.shimokawa-time.net/timest/taiken/

<問い合わせ先>
しもかわ観光協会 TEL 01655-4-2718

美桑の家
季節の森歩き(2点とも写真提供 しもかわ観光協会)
宮城県南三陸町では、FSC認証について体験的に学ぶプログラムが提供されています。町の発展に貢献することを目的に設立された南三陸町森林協議会は、東日本大震災からの復興を目指すなかでFSC認証を取得しました。町の観光協会では、地域内の資源を活用したさまざまな体験学習プログラムを実施しています。開催人数や対象年齢などの条件がありますが、実際に山林で働く方の話も聞ける貴重な体験学習です。

▶南三陸町のFSCを学べるプログラム例

〇山から学ぶプログラム
林業家と共にFSC認証の山林に入り、適正な森林管理が行われているかを実際にチェックする審査員体験を行う。さらにミニブッシュクラフト(自然の素材を利用して自然の中で生きる知恵を身につける)体験の「火起こし」を通じて、山林のもたらす恵みやエネルギー循環について学ぶ。

〇枝打ち間伐体験
樹木の枝を幹から切り落とす枝打ちや、混みあう森林の木々を間引きする間伐を、レクチャーを受けながら体験する。

〇南三陸人に学ぶプログラム
宮城県初のFSC森林認証を南三陸森林管理協議会の一員として取得した林業家から、現場目線の認証取得までの道のりを学べる。

※所要時間、料金、定員などはWebサイトでご確認ください。
上記のほか、「杉枝スプーンフォーク作り体験」「フォトフレーム作り体験」もあります。
https://www.m-kankou.jp/educational-travel/about-minamisanriku-cho/fsc/

<問い合わせ先>
一般社団法人南三陸町観光協会
TEL 0226-47-2550

先ほどFSC認証しいたけで紹介した宮崎県諸塚村では、「季節のやま学校ぷらっと」というエコツアーが定期的に開催されています。季節ごとに山や渓谷の散策、森の恵みを使った手作り体験などのプログラムを楽しむことができます。各季節の開催は2~4回予定されており、定員に限りがあるので、興味のある人は早めに申し込んでくださいね。

▶季節のやま学校ぷらっと(2022年スケジュール)

〇春 手摘みで手作り釜炒り茶(6・7月※終了)
〇夏 黒岳登山で希少植物に出会う(8月)
〇秋 飯干渓谷散策(11月)
〇冬 和紙づくりと原料づくり(2月)

※開催日時、料金、定員などはWebサイトでご確認ください。
(申し込み受付:各開催日の1週間前まで)
https://www.morotsuka-tourism.jp/spot/yamagakkou/

<お問合せ>
一般社団法人諸塚村観光協会
TEL 0982-65-0178

キレンゲショウマなどの稀少植物が観察できる黒岳登山(写真提供 諸塚村観光協会)
わぁ、どれも楽しそう! 開催状況などをよく調べて計画を立てなくちゃね。

<基礎知識>FSC認証ってなんだっけ?


 
いろいろやってみたくなったよ!
ところで、自由研究を進めるのに、「そもそもFSC認証って何?」という基礎知識をおさらいしておきたいな。
 
それなら、これまでの「FSC講座」の記事が参考になりますよ。次のリンクからぜひ読んでみてくださいね。
 
わあ、これでバッチリまとめられそう!

楽しみながら取り組もう!

家族みんなで学ぶといいね

FSC C011851

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