つくし・ふきのとう・すみれのレシピをご紹介!
森の春の楽しみの1つが「山菜」。豊かな森に恵まれた日本では、わらびやぜんまい、たらの芽など、様々な山菜を日常的に食べてきました。東京都檜原村の「FSCの森」のふもとで生活する、ちよこさんもそんな「おいしい春」を楽しみにしている一人。山菜ご飯や煮物などはもちろんのこと、最近はちょっと洋風でいただくのがブームとか。そのレシピの一部をご紹介いただきました。ぜひ、参考にしてくださいね。
●ウキウキな春の私のお楽しみ、食べて楽しむ春の幸!
こんにちは!東京の森に暮らす千代子です。
4月も半ばに入ると、檜原村もすっかり春の気候です。寒い冬を超えてやってきた春に、森の生き物たちものびのび、イキイキしている様子。
鳥達のさえずりも響きわたり、春の始まりを教えてくれるウグイスも「ホーホ…キョ!」と鳴き始めました。鳴き始めはなんだか下手っぴで、調子良く「ホーホケキョッ!」と鳴けない所が可愛いらしいですね。
春はなんだか動植物と同じように人間の私もウキウキ♪ 今回はそんな私の春のお楽しみ、「食べて楽しむ春の幸」について紹介したいと思います。
●ツクシは、コクのあるバター醤油で「ご飯のとも」に!
まずはひょっこり出てきた「ツクシ」。
ツクシは、漢字で書くと土筆で「つちのふで」なんですね。確かに筆のように見えます。子ども達にも手伝ってもらってポキポキとおって採ります。
沢山採ったツクシは…、
ハカマをとって半分に切って、バターで炒めてお醤油を少したらして食べるのがお気に入りです。
頭の部分に胞子が詰まっているのですが、それがほろ苦くて、とっても美味。ついついご飯が進んじゃいます。
●フキノトウでつくる「ジェノベーゼペースト」が絶品!
次にフキノトウ。
天ぷらにしたり蕗味噌にしたりすると、とても美味しいですよね。私はたくさん採れた時には、ペーストを作って洋風でも楽しんでいます。
作り方は、ざっと洗って
熱湯をさっと回しかけます。フキノトウは生のままだと切り口が空気に触れると色が変わりやすいのでさっと熱を通しましょう。
冷水をかけて冷ましてからしっかりと水を切ります。
フードプロセッサーにフキノトウ5〜6個とニンニク1かけ、オリーブオイル大さじ3、塩小さじ1を同時に入れて
ガーっとペースト状にします。
鮮やかな緑色のペーストができました。
色が変わりやすいので更にオイルを上から足して保存します。
茹でたパスタに和えても良し、ピザのトッピングにしても良し。パンにさっと塗ってトーストしても、春の香りが口いっぱいに広がって、とてもおいしいです。バジルのジェノベーゼソースのように色々なお料理に使えて便利ですよ。
●スミレの花の「砂糖漬け」で春らしく彩って
それからもう一品。
この季節、あちらこちらで可憐な花をつけて楽しませてくれる”すみれ”。
実はすみれは食べられるお花、エディブルフラワーなんです。そのままサラダにのせてもいいけれど、今回はちょっと変わったことをと思い、砂糖漬けにしてみました。
材料はスミレとグラニュー糖、それからこれ「柚子仕事で作った柚子酒」を使います。(「ちよこの森だより」第1回をご参照ください)
作ってから約3ヶ月ほどたって熟成が進んできました。瓶を開けると柚子のいい香り!!
まずはスミレを水でさっと洗います。(奥に見えるのはカレンデュラ。これも一緒に砂糖漬けにします)
お皿に花がヒタヒタになるくらいの柚子酒を入れて10分ほどつけておきます。
ニオイスミレなどの香りの強い種類もあるようですが、この辺りに自生している種類はそれほど香りがないので、柚子の香りをつけたしてみました。柚子酒がない時は、お好みのリキュールやラム酒、ブランデーなどでも作れます。
次に香りをつけたスミレにグラニュー糖をつけていきます。お箸でつまんで、形を整えながら一つ一つ砂糖をつけていきます。
クッキングシートを敷いたバットに並べていきます。綺麗な紫色のスミレにグラニュー糖がキラキラと光ってキレイでしょう。
このまま、数日間置いてカラカラに乾いたら出来上がり。そのままいただくのはもちろん、紅茶にいれたり、ケーキにのせたりして楽しんでいます。いつものメニューが一気に華やかに可愛らしくなりグレードアップ!
野山に育つ草木達はどれも個性的で、どんな風に食べようか考えるのも楽しいし、偶然見つけたときの「お宝見つけた!」感がたまりません(*´∀`) もっと沢山の山菜や薬草を覚えて、パワフルな自然の恵みを生活にいかしていけたらステキだな〜。
図鑑を片手に、春の野山歩きを楽しみたいと思っています。皆さんもぜひ、春の森を散策してみてくださいね。
「ちよこ」こと、
田中千代子さんプロフィール
東京都檜原村在住。男の子2人のお母さんで、夫である田中惣一さんは江戸時代初期から続く林業家の15代目。2012年にFSC森林認証を取得し、森を活かしながら守る“これからの林業”の在り方を模索しています。千代子さんもまた、もともと好きなクラフトや料理に森の恵みを活かす暮らしを実践中。そのヒトコマを季節の「森だより」としてお届けします。
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