FSCの森・木を活かす人

2019.11.11

WWFジャパン 自然保護室 森林グループ 相馬 真紀子さん

日本初!オフィスリフォームで丸ごと「FSCプロジェクト認証」を取得 

世界的な環境保全団体として野生動物が生育する森や海などの環境保全に取り組むWWF。森を守る手段の1つとして国際認証「FSC」の普及・認知向上に努めています。そんなWWFの日本の事務所が「FSCプロジェクト認証」(FSCプロジェクト認証番号 SA-PRO-006846)を取得したと伺い、見学に伺いました。いったいどんなオフィスになったのか、取り組みを担当したWWFジャパン 自然保護室 森林グループの相馬真紀子さんにご案内いただきました。

WWFジャパン 自然保護室 森林グループ 相馬 真紀子さん
WWFジャパンでは、インドネシアの森林保全に加え、トラ・ゾウの生息地保全プロジェクトを担当。「子どもの頃からアウトドア派で、ガールスカウトに入って毎年キャンプを楽しんでいました。今も子どもと一緒に山にクワガタ採りに行くなど、野外を駆け回っています(笑)。仕事でも森を歩き回ることが多く、今回のプロジェクトで使われた木材の中に以前仕事で訪れた北カリマンタンの森のものがあり、『来てくれてありがとう』と胸が熱くなりました」。
 

おしゃれでエシカル!WWFジャパンのオフィスに潜入

世界的な環境保護団体であるWWFネットワークの一員として、多彩な取り組みを行っているWWFジャパン。新しいオフィスに入ると、「ようこそ!」と自然保護室 森林グループの相馬真紀子さんが笑顔で迎えてくれました。相馬さんは森林保全の仕事の傍ら、オフィス移転のワーキンググループの一員としてFSCプロジェクト認証の取得を担当しました。

「2018年5月に移転してきたのですが、そこから少しずつ手を加えて、1年かかってFSCプロジェクト認証がとれ、ようやく今の形になって落ち着いてきたころです。特にこだわったのは、仕事の場としての居心地の良さ。アースカラーを使って、WWFジャパンらしくナチュラルな雰囲気で、リラックスできる空間にしました」(相馬さん)
 
入ってすぐ目を引くのは、グレーやベージュのタイル模様が印象的な、広々とした応対カウンター。これももちろんFSC認証材でできています。そして、大きなパンダマークが描かれたブラインドと看板、資料が置かれた本棚。当然、並ぶ資料はFSC認証紙を使ったもので、本棚にもFSC認証材が使われています。

「ここは賃貸物件なので、もともとの壁と梁以外に可能な限りの環境配慮を行いました。カーペットに隠れている床の木材部分にもFSC認証材を使っていますし、壁紙はFSC認証紙、間仕切り用の石膏ボードや造りつけデスク、棚などもFSC認証を取得した持続可能な林産材からできています」(相馬さん)
 
奥に入ると、広々とした来客用の空間が広がります。壁にはカウンターと同じカラーの壁紙が貼られており、これもやはりFSC認証製品なのだとか。どうしても日本でFSCの壁紙が見つからず、海外で探し求めたといいます。「壁紙メーカーのCoC認証が取れているのかどうか、ぎりぎりまで時間がかかってハラハラしました。工事や認証取得などの時間との戦いでした」と相馬さん。苦労しただけに、思い入れのあるスペースになったといいます。

さらに奥に入ってみましょう。おおっ、一気に“お仕事スペース”といった印象になりますね。オープンな雰囲気で、ほとんどの方がマイボトルか紙パックの飲み物をお持ちなのは、やはり環境配慮を意識してのことなのでしょう。

「ここのエリアは基本的にフリーアドレスになっているんですよ」(相馬さん)
 
そして、さらに奥は打ち合わせスペースになっています。おや?靴を脱いで上がるんですね。
 
「小上がりになっていて、FSC認証林から取り寄せた丸太の椅子もあるんです。打ち合わせにも使いますが、ちょっとした休憩もここで過ごすことが多いですね」

絨毯には麻の一種である「ジュート」が使われていて、湿気がこもりにくく快適なのだとか。そして、相馬さんがめくってくださったその下の床材もFSCの認証材です。見えないところまで、しっかりFSC認証材がつかわれているんですね。

そして、こちらは集中したい方のためのエリア。間仕切り用の石膏ボードがFSC認証製品となっており、こちらは日本製で見つけることができたそう。

「FSCプロジェクト認証は、建造物を1つのプロジェクトとみなして、そこに使われる木製由来製品のすべての原料がFSC認証材および管理木材であることが必要です。想像していた以上に使いたい木製製品が多く、14社もの協力を得て実現することができました」(相馬さん)
 

「都会でだって森林保全に貢献できる」を証明し、支援したい

1年もの時間をかけて行ったFSCプロジェクト認証取得。その背景にはどのような思いがあったのでしょう。
 
「WWFジャパンは世界的な環境保護団体であるWWFネットワークの一員として、FSC認証を森を守る有効な手段として推奨し、普及活動を行なっています。(詳細はこちらの記事をご覧ください)様々な方法でFSCの意義を伝え、森の大切さをアピールしてきましたが、自分たちで実践することも重要だと考えています」(相馬さん)

WWFジャパンは、コピー用紙や名刺などの紙製品をFSC認証にしたり、休憩用のコーヒーをフェアトレードにしたり、小さなことから環境配慮を意識した選択を行っているといいます。オフィスの移転が決まった際に、FSC認証を取得した持続可能な林産材を使ってリフォームすることになったのも自然な流れでした。

  • コピー用紙は当然FSC認証紙 

  • 電気は自然エネルギーを使用しています。

「通常の仕事とは別にワーキンググループを作り、どこからどのようにやっていくか、アイディア出しから調達先の選定まで、様々なことを話し合いました。賃貸オフィスのリフォームでFSCプロジェクト認証を取るというのは世界でも珍しく、さらに日本では初めてのことだったので、参考になるものがなく戸惑いましたね。でも、私たちが第一号として前例になることで、後に続く人の参考になればと思ったんです」(相馬さん)

環境保全を意識しながら、おしゃれで快適そうなオフィスが実現しているのを見ると、都会でも、仕事場でも、「森を活かしながら守る活動」ができるのだと実感します。FSC認証製品の調達先や施工事業者などの情報も公開しているので、興味のある方は問い合わせてはいかがでしょうか。

 
 
WWFジャパン
東京都港区三田1-4-28 三田国際ビル3階
https://www.wwf.or.jp/

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