FSCマークの付いた製品は、FSC認証を取得した“FSCの森”で生まれ育った木から作られたもの。責任ある森林管理が行われているFSCの森は、どんなところなのでしょうか。森の仲間といっしょに見ていきましょう。
FSCの森は、日本にどれぐらいある?
FSCマーク付きの製品は、「FSC(森林管理協議会)が定めるルールを守って適切に管理されている」と認証された森の木からできているんだよね!
さすが、うさぎさん!FSC講座第1回で学んだことを、ちゃんと覚えていますね。
FSC認証を取得している“FSCの森”は、日本にもあるの?
*1 FSC認証には、責任ある森林管理を認証する「FM(Forest Management、森林管理)認証と、適切な加工・流通過程を認証する「CoC(Chain of Custody、加工・流通過程)認証」の2種類があります。
うわぁ、たくさんあるんだね!
FSCの森は、どこにある?
FSCの森は、どこにあるの?
北は北海道から南は九州まで、全国33都道府県にあります。都会のイメージが強い東京都にも3件あるんですよ。なかでも山梨県ではその面積が約14万haと広く、日本全体のFSCの森のおよそ3分の1にあたります。
参考:FSCジャパン「国内FSC FM認証林一覧(2020年7月29日時点)」
参考:FSCジャパン「国内FSC FM認証林一覧(2020年7月29日時点)」
みんなの住んでいる地域の近くにもあるかもしれないね!
日本初のFSCの森は?
今はたくさんFSCの森があるみたいだけど、日本で初めてFSC認証を受けたのはどこなの?
品質の良いヒノキ材の産地として有名な三重県の尾鷲地域です。2000年2月、速水林業さんの森林(1070ha)がFSC認証を取得しました。
国内で誰もやっていないことに挑戦するのは、大変だったろうね…。
審査機関の審査員を育成することからのスタートで、簡単なことではなかったようです。速水林業代表の速水亨さんは、FSC認証取得を通じて尾鷲の林業の価値を改めて感じ、今後については「世界に負けない豊かな森を育てていきたい」と語っています。
▶くわしくは「速水林業/FSCジャパン副理事 速水亨さん」のインタビュー記事へ
他にどんなFSCの森がある?
他にはどんなFSCの森があるの?
例えば、福島県西郷村にある「白河甲子の森(しらかわかしのもり)」は、約60年前、針葉樹であるアカマツを植樹してできた森です。しっかり手入れをすることで、アカマツ以外にコナラ・ミズナラなどの落葉樹や、ヤマツツジ、クロモジ、ガマズミやヤマウルシのような低木も育ち、様々な生き物がすむ豊かな森になりました。その豊かさを保つには、下草を生やすことで表面の土壌の流失を防いだり、間伐*2をして太陽の光が根元や地面に届くようにしたり、手を入れ続けることが大切だといいます。
きちんと手入れをすることで、豊かな森をつくってきたんだね!
「白河甲子の森」にはもう1つ特徴があります。森の持ち主である三菱製紙が「エコシステムアカデミー」を設立して、森の大切さや森を守るための知識を三菱製紙グループ従業員や関係先ならびに地元の子どもたちへ広める活動をしているのです。インストラクターが森を案内して木や草花の種類、森の様子などを解説する体験学習や、パルプから紙を作る紙すき体験などを行っています。
▶くわしくは「森について学び、森の大切さを実感できる森」のレポート記事へ
もっとFSCの森について知るには?
FSCの森についてもっと知りたいな!
FSC応援プロジェクトに載っている、FSCの森に関する記事を参考にしてみてください。
森の成り立ちや、生えている木、その活用の仕方は様々。でも、「森を大切にしよう!」という思いは、みんな共通だということがわかりますよ。
森の成り立ちや、生えている木、その活用の仕方は様々。でも、「森を大切にしよう!」という思いは、みんな共通だということがわかりますよ。
▼兵庫県朝来市(日本土地山林)
「明治期から始まった、今につながる『育てる林業』」レポート記事へ
▼岩手県岩泉町
「思わず深呼吸したくなる!岩手県岩泉町『FSCの森』」レポート記事へ
▼東京都檜原村(東京チェンソーズ)
「東京都檜原村『東京チェンソーズ』レポート記事へ
私たちも、森についての知識をもつことで、森を守る行動をしていきたいね。
【まとめ】 日本でFSC-FM認証を取得した森は現在34件、合計面積は約41万ha。日本で初めてFSC認証を受けた三重県尾鷲地域や、環境教育に取り組む三菱製紙の白河甲子の森(福島県西郷村)などがあります。
森を知って、応援しよう!
友だちにも教えてあげよう!
監修:エコシステムアカデミー シニアインストラクター 桂 徹
FSCⓇ C011851