2020.3.31

マレーシア編 FSCグローバルレポート

プラスチックごみ削減に高い意識を持つマレーシア。FSCは今後に期待!

産地直送で生の情報をお届けしている「FSC グローバルレポート」。
今回はマレーシアの首都「クアラルンプール」からのレポートです。

今回レポートいただいたマキさんは、ご主人の転勤のため、2019年4月から息子さん二人を含む家族4人で、マレーシアの首都クアラルンプールで暮らしています。マレーシアにきて、エコバックを必ず持ち歩くようになったというマキさん。日本にいる時も持ち歩いていたそうですが、マレーシアは日本以上にレジ袋の有料化・廃止が徹底しているため、お買い物には欠かせないのだそう。

さて、そんなマレーシアでFSCマークは見つかったのでしょうか!? 

イスラム教のモスクの前で

イスラム教のモスクの前で

みなさん、こんにちは。マキと申します。
夫の転勤のため、家族でクアラルンプール モントキアラに住んで約1年になります。マレーシアは、マレー系、中国系、インド系など、様々な民族・宗教が共存しあう多国籍な国です。様々な文化や風習に触れる機会が多く、息子たちと一緒に、日本ではできない体験を楽しんでいます。

今回は私の目から見たマレーシアのエコ意識と、FSCマークについてレポートしますね。

旧正月(チャイニーズイヤー)に中華系のお宅で伝統的なお祝いをした時の1枚。旧正月期間中は街中が赤に染まる

旧正月(チャイニーズイヤー)に中華系のお宅で伝統的なお祝いをした時の1枚。旧正月期間中は街中が赤に染まる

世界のプラスチックごみがマレーシアに押し寄せる!?

今、世界的にプラスチックごみが問題になっていますが、マレーシアは、それらの受入先として、世界各国から大量にプラスチックごみが送られてきます。違法に持ち込まれているものが多く、マレーシア国内できちんと処理されず、環境汚染や健康被害を引き起こすなど問題になっています。あまり知られていませんが、日本からもたくさん送られてきているんですよ。

この問題については、マレーシア政府も本腰を入れて取り組んでおり、違法ごみ処理施設を取り締まったり、違法に持ち込まれたプラスチックごみを各国に返送したりと、強い姿勢をとっています。ローカルニュースやテレビ番組でも取り上げられ、マレーシアの人たちの大きな関心ごとのひとつです。

このような背景もあり、マレーシア人はプラスチックごみ削減に対して高い意識を持っています。レジ袋は有料化され、ストローや使い捨て容器もプラスチックではなく紙製の物が使われています。

また、日本では「My箸」がありますが、こちらには「Myストロー」があります。金属製や竹製でできたストローを、かわいい布製のケースに入れて持ち歩いているんですよ。

金属製のストロー。洗浄用のブラシも合わせて売っている

金属製のストロー。洗浄用のブラシも合わせて売っている

こちらは竹製

こちらは竹製

このように、プラスチックゴミ削減については、意識の高いマレーシアですが、普段の生活ゴミの捨て方はというと…、なかなかアバウトで、ゴミの分別がほとんどありません。燃えるゴミ、燃えないゴミも一緒に捨てます。家電や家具なども、生活ゴミに出ている時があるほどです。

さすがにこれには、ゴミを捨てにいくたびに罪悪感が募り…。我が家では自発的に、燃えるゴミ、燃えないゴミ、カン・ビンなどは分別して出すようにしています。捨てる場所は一緒なのですが、ゴミを分別する人が少しでもラクになればいいな…と思っています。

都市と自然が融合するクアラルンプール

ところで、私たちが暮らしているクアラルンプールのモントキアラは、高層ビルやコンドミニアムが立ち並び、オシャレなレストランやショッピングモールもある近代的な街です。

モントキアラには、日本人を含め、外国人が多く住む

モントキアラには、日本人を含め、外国人が多く住む

でも、こんなモントキアラも、実は10年ほど前まではジャングルだったんです。
もはやそれが信じられないくらい発展していますが、今でも緑が多く残されており、熱帯植物や日本では見られない色彩の鳥などを見ると、ああ、ここは南国なのだと実感します。

モントキアラのマーケット。週に2回、ナイトマーケットも開催される

また、地域には大きな公園がいくつかあり、熱帯雨林気候に見られる木々が生い茂っています。それに、車で30~40分ほど行けば、自然豊かな森もあり、ラフティングや乗馬、川釣りなど、自然のアクティビティを楽しむことができます。私もお休みの日には、家族で公園や森へでかけ自然に親しんでいます!

いざ、FSCマーク探しへ!

それでは、マレーシアで見つけたFSCマークをご紹介しましょう。

今回FSCマークを探すにあたって、まずはマレーシア国産品を多く扱うローカルスーパーを回ってみたのですが、見つけることができず…。そこでやってきたのが、「Jaya Grocer(ジャヤクロッサー)」という、地元のものから輸入品まで幅広く取り扱っている大手スーパーマーケット・チェーンです。

まず、紙類のコーナーを覗いてみると…ありました!
アメリカのKimbery-Clark社のトイレットペーパーです。

続いて、ドリンクコーナーを片っ端からチェックしていくと…パッケージにたくさん見つかりました!

まずは、アメリカのメーカー「Blue Diamond ALMONDS」のアーモンドミルク。

続いて、オーストラリアのメーカー「Community CO」の低脂肪乳。

それから、オート麦で作られた植物性ミルク「オートミルク」は2種類についていました。

左はベルギーのメーカー「Alpro」、右はスウェーデンのメーカー「OATLY」のもの。そして、日本でもおなじみスイスの「Nestle」のミルクです。

左はベルギーのメーカー「Alpro」、右はスウェーデンのメーカー「OATLY」のもの。そして、日本でもおなじみスイスの「Nestle」のミルクです。
 
 
フランスのメーカー「LESCURE」のミルクにも!

トルコのメーカー「DIMES」のフルーツジュースにもついていましたよ。

こうして見ると、欧米からの輸入品ばかりですね。
でも、お隣の国シンガポールのメーカーのパッケージにも、FSCマークを発見しました!


シンガポールのメーカー「AYAM BRAND」のココナッツミルク


同じくシンガポールのメーカー「KARA」のココナッツミルク

マレーシアでのFSCマーク探しは正直大変で、最後までマレーシア国産メーカーの商品にFSCマークを見つけることはできませんでしたが、お隣のシンガポールのメーカーの製品は見つけることができてよかったです。

次世代を担う子どもたちのために、環境を守っていきたい

今回、グローバルレポートを作成するにあたって、FSCマーク探しに子どもたちが協力してくれました。

「森を守るためのマークがどうして紙パックに多いの?」と聞かれ、紙は木の繊維から作られ、紙を生産するためには多くの木が必要であること、違法に森林伐採する事が森や生き物、地域の人たちに悪影響になっていること、そして「FSCマークは森を守りながら紙製品を作っている証なんだよ」と説明しました。子どもたちはとても感心した様子で、「FSCマーク、また探しにいこう!」と言ってくれました。

今回、森林保護の大切さを親子で知るよい機会になりました。一消費者として、FSCマーク製品を選択する事で微力ながら応援できることを知りうれしく思います。そして、母として次世代の子どもたちのために環境を守って行きたいと思いました。

【マレーシアの森林状況】

マレーシアは、赤道近くに位置し、熱帯雨林気候に属する常夏の国です。マレー半島とボルネオ島の一部から成り立っており、首都クアラルンプールのあるマレー半島部分の面積は約1,319万ha、そのうち森林面積は約577万ha※で、およそ44%を占めています。
※林野庁 国別情報(「平成29年度調査の成果」を参考)

FSC C011851

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