2015.10.28

ドイツ編 FSCグローバルレポート

素朴で質実剛健。幼い頃から自然と触れ合う教育

 
ヨーロッパの中でも屈指の環境先進国ともいわれるドイツはFSC国際本部がある国。今回のグローバルレポートはそのドイツの首都ベルリンにお住まいの金田史子さんからのレポートです。現在建築士の旦那さんと1歳になるお子さんの3人暮らし。Verschenken(贈り物をする、タダであげるの意)というモノを大切にする文化に触れてきた金田さん。エコ・リサイクルが当たり前のように行われている生活の中で見つけた、環境に優しいドイツならではの暮らし方やFSCマークについて紹介していただきました。
 
金田史子さん
 

お店やオークションサイトなどを介さずに「モノが循環するシステム」に

ドイツで暮らし始めて今年で2年。ゴミの分別はもちろん、着ない洋服やいらないものを捨てずにリサイクルに回す、過剰包装していない測り売りのお店で買い物をするなど、今では当たり前の生活になりました(写真はス―パーの店内と分別ごみ箱)。
 
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またここでは、セカンドハンドの服やインテリア、子ども用品などを最大限活用する文化があります。毎週末、ベルリンのあちこちで開かれる蚤の市では、アンティークの雑貨を販売する店に加え、自宅で使わなくなったものを持ち込むフリーマーケットのような店も多くみられます。また、Verschenken(贈り物をする、タダであげるの意) という面白い文化があります。引越しや大掃除で出た不要な本や雑貨などを(時には家具も!)持ち主が、「Verschenen」と書いた段ボールに入れ、家の前の通りに出しておくと、通行人は自由に持ち帰ってよいのです。「誰かのゴミは、誰かの宝物」という表現がぴったりで、お店やオークションサイトなどを介さずに「モノが循環するシステム」が成り立っているのです。これを初めて知った時は、質実剛健で素朴なドイツ人らしい文化のように感じられ、さらにドイツという国が好きになりました。
 

街中にも大きな公園。夏は夕方からバーベキュー!

私の家は街中にあるのですが、徒歩圏内には小さな児童公園も含め、いくつもの公園があります。また、至る所に街路樹が植えられ、夏は街全体が爽やかな緑色に。きちんと手入れはされていますが、木の大きさや本数が多いため、大きな公園ともなると、木々がうっそうと茂って森のようです。また街の中心部にもかかわらず、近所にはVolkspark(市民公園)があり、その広さは、日比谷公園の約3倍。日中は散歩やランニングをする人、子どもたちで賑わいます。ドイツの夏は22時近くまで明るいので、夏の夜長を楽しむべく、夕方からバーベキューや誕生日パーティーをしている人たちもみられます。ドイツ育ちの友人からは「週末、時間があったら散歩しようよ」といって電話がかかってくることも珍しくありません。
 
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また、保育園や幼稚園でも自然と触れ合う教育を大事にしているところが多いです。息子の通う保育園では、月に一度森に行くというアクティビティがあります。幼い頃から自然に頻繁に触れることで、丈夫な体になれるという考えがあるためです。さらに、森の中のもので遊んだり、工作をしたり、何が危険か経験を通して学んだりと、自然とのふれあうことで、多くを得ることができるとされています。このように幼い頃から自然と触れ合っているからか、利用者が多い割に、公園にポイ捨てされているゴミがとても少ないのが印象的です。木々が茂るような見えないところですら、です。
 

FSCマーク製品で朝が始まり、外出先にも…!?

FSCマークについては、これまで何を意味しているものかを考えたこともありませんでした。いざ気をつけて生活をしてみると、驚くほど身近な存在であることがわかりました。FSCマークの商品と一緒に1日を過ごしているといっても過言ではないほどだったんです!
 
まず我が家の朝は豆乳のスムージーから始まるのですが、スーパーで買った豆乳の紙パックに早速登場。
 
ドイツの豆乳パック
 
今日は動物園に行く日。息子を連れて電車に乗ったら、なんとチケットの裏にも(左)。そして到着した動物園の園内マップにも(右)。
 
動物園のチケット(左)と園内マップ(右)
 
喉が渇いたから、とスーパーで買った水のパックやコーヒーカップにももちろんありました。
 
スーパーで買った水のテトラパック、スターバックスコーヒーカップ
 
さらには、そのお会計でもらったポイントシールにも。
 
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帰り道にある雑貨屋さんにはFSCマークのついた整理用木箱なんてものもありました。
 
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ディスカウントスーパーで売っているような木製のインテリアにも認証マークが付いているようです。
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さて帰宅して郵便ポストをあけたら、ダイレクトメールにも。
 
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さてほっと一息、といれた紅茶のパッケージにも。。。。
 
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【ドイツの森林行政とFSC】

 
ドイツの森林率は30%(日本は67%)、面積にすると1千万haと実は日本の人工林とあまり変わらないくらいの面積です。日本と異なるのは森林行政の仕組み。約2000haの森林ごとにフォレスターと呼ばれる森林管理官が1人配置されています。その地域での森林整備について指導、助言を行うため特別な教育を受けたスペシャリストで、ドイツの林業が発展したのもこの制度が一助になっているともいわれています。
 
※2003年よりFSCの国際本部はドイツのボンに置かれています。

■FSC INTERNATIONALのWebサイト
https://ic.fsc.org/index.htm

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