なんとワインまで?FSCマークを続々発見!
欧州随一の農業国であり、環境先進国とも言われるフランス。森林保護に対しても意識が高く、今回レポートしてくださった「あんとか」さんがお住まいの中都市クレルモン=フェランでも続々とFSCマークの製品が見つかりました。その製品とともに、環境配慮や森との付き合い方などを含め、フランスでのエコフレンドリーな暮らしぶりを紹介いただきます。
今回FSCマークを探してくださったのは、フランスに住んで2年半という、あんとかさん。フランス人の夫、8歳と7歳のやんちゃ坊主の4人家族。「子どもたちはもうフランス語のほうが楽になったみたい」とのこと。
森を身近に感じるクレルモン=フェランでの暮らし
みなさん、こんにちは。「あんとか」です。私はフランスの中央山塊地方に位置する中都市・クレルモン=フェランという街に住んでいます。この地方の人々にとってピュイドゥドームの火山は象徴的な山で、日本人にとっての富士といったところでしょうか。その裾野には森が広がっており、街の中心地からは車で30分程度で到着します。我が家もそのエリアにあり、庭のすぐ向こう側が自治体の保護する森林になっていて、遊歩道を散歩することも多いですね。
特に栗の木が多いので、夫は庭に巣箱を置いて蜂を育てているんですよ。まだあまりたくさんは採れていないのですが、今年こそ、栗の蜂蜜が採れるのを楽しみにしています。
古きを大切にしながら、新しい環境配慮にも積極的
クレルモン=フェランという街は、ミシュラン社(日本ではガイドブックが有名になっていますが、タイヤの会社です)の企業城下町でもあり街のあちこちにミシュラン社の拠点が点在しています。
ユネスコ世界遺産に登録されているノートルダム・デュ・ポール聖堂など歴史的建造物も多く、火山から切り出された岩が使われているのが特徴です。古い町並みの中に新しい建造物がなじんでいますが、実は住居に関しては特にエコ意識が高いんです。
たとえば、売買・賃貸/戸建・集合住宅に限らず住宅の物件情報には必ずエネルギー負荷の偏差値を示すよう義務づけられています。そのため、住居のエネルギー負荷の少ない住宅は売りやすい、貸しやすい、ということになり、環境に優しい住宅を希望する傾向にあるわけです。
他にも、ゴミの分別も日本で行われるようになる前からしっかり行われていますし、お店には無料のレジ袋がないのが当たり前で、スーパーにもみんなマイバック持参で出かけます。
森と同様、「FSCマーク」も暮らしの中になじんでいます
では実際に、今日購入したものの中から、FSCマークのものを紹介していきましょう。
ご覧のとおり、飲み物のパックにはよくついているという感じです。こちらは酪農国なので、乳製品の種類も豊富。あとジュースはオーガニックのものもたくさん出回っていて、Bi0*の表示も多く見られます。
*Bio:有機農法など、特定の品質水準をクリアした農業・畜産・水産製品にのみ、付けることが許されている。EU共通のマークのほか、フランスでは政府が認定する有機農産物認定「ABラベル」が90%以上の国民に認知され、広く使われている。なお、下部の葉っぱのマークは、EU共通のオーガニックマーク。
こんなふうに、紙パッケージにはあちこちについているのですが、今回FSCマークを探してみて、面白かったのがコレ!さて、どこについているか、分かりますか?
そう、なんと封を開けたら「コルク」にFSCマークがついていたんです。こんなふうに、FSCマークは日々目にする製品についているんですが、正直あまりどんな意味を持つのか気にせず、見過ごしてしまっていました。意識してみるとFSCマークはあちこちについているし、他にもいろんな認証マークがついていて、製品づくりから環境配慮がなされていることに改めて気付かされました。
消費者側でも、友人は「認証マークがついたのをできるだけ選んでいる」って言ってました。ゴミの分別がそうだったように、近いうちに日本もそんな商品選びが普通になるかもしれませんね。
あ、そうそうこんなものも!これはスーパーでもらえる割引券なんですが、よく受け取っていたのに、今までまったく気づいていなかったんです。まだまだありそうなので、また見つけたらレポートします!
【フランスにおける森林活用とFSCマーク】
欧州の中でも広大な土地を持つフランスは、森林面積の面積割合および国民1人あたり森林面積は 0.26ha/人(日本は0.20ha/人)と欧州諸国の0.31ha /人に比べると低め。しかし都市部にも林や森が多く、人々は週末になると散歩やピクニックに出かけるなど、自然の中で過ごすライフスタイルが好まれています。
また特徴的なのが、私有林が多いこと。多くが人の手が入った人工林で、早くから違法伐採などが厳しく取り締まられてきました。またFSC認証の他に、PEFC認証やフランス規格調査委員会(AFNOR)によるエコラベルなどの認証マークが多く、多くの消費者にとって商品選びの基準の1つとして定着しています。
FSCフランス http://fr.fsc.org//
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