FSCマーク製品ものがたり

2016.7.13

FSCマーク製品ものがたり

  • エコがもっと「普通」になる社会を目指して
  • ワタミ「POS用感熱レジロール紙」
 
気軽に楽しめる居酒屋を中心に、様々な業態の外食店を運営する「ワタミ」。近年は外食事業に加え、宅食事業や農業など様々な事業を展開しています。事業遂行においては「ワタミ環境宣言」を掲げ、CO2の削減や廃棄物の適正管理、廃油のリサイクルなど積極的な環境配慮を実践し、その一環として2015年よりレジロール紙に「FSC認証紙」を採用しています。そうした取り組みを進めながらも、できるだけリーズナブルな価格を貫こうとする姿勢にはどのような思いがあるのでしょうか。グループ内で特に環境活動の牽引役を務めるワタミファーム&エナジー株式会社 代表取締役社長の小出浩平さんにお話を伺いました。

お話しを伺った方

ワタミファーム&エナジー株式会社 代表取締役社長
小出浩平さん
2009年ワタミに入社し、環境責任者として環境負荷削減事業、再生可能エネルギー事業、森林再生事業などに従事。2014年よりオーガニック野菜の仕入れや風力発電などの事業活動を担うワタミファーム&エナジー代表取締役社長に着任。阪神淡路大震災をきっかけに永続可能な社会づくりを意識するようになり、社外においてもNPO法人を立ち上げ、地域コミュニティの問題解決にも取り組むなど、ソーシャルな活動を積極的に行っている。

新ミッション 〜人とともに地球とともに〜

 
2016年6月26日、外食チェーンを展開するワタミは、新たにCI(コーポレート アイデンティティ)を策定。ミッションとして「人とともに地球とともに」を掲げ、環境やエネルギー、食の循環に配慮した“持続可能な社会”の実現を目指すことを発表しました。今後も、廃棄物の適正管理や廃油のリサイクルなど外食事業社としての環境マネジメントに加え、風力・太陽光など再生可能エネルギーを軸とした環境事業にも精力的に取り組んでいくとのことです。
 
「環境活動はCSR(企業の社会的責任)の1つとして取り組まれることが多く、景気が悪くなったり、事業活動に問題が生じたりすると、“本丸以外”の活動として停滞してしまいがちです。継続して進めていくには、利益のあるなしに関係なく、地球に存在する企業の責任として取り組んでいくことが大切だと考えています」
 
そう熱意を込めて語るのは、ワタミファーム&エナジー代表取締役社長の小出浩平さん。
 
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ワタミ新しいロゴ
2016年6月26日に発表された新グループロゴ。新しいコーポレートカラーの「フレッシュグリーン」は植物の再生を表すそう。
 
「とはいえ、決して派手な取り組みではありません。これまで通りの小さなことをコツコツと継続し、少しずつスピードを上げたり、範囲を広げたりして、影響力を高めていく。「ハレとケ」でいえば、ワタミは「ケ」。お客様の日常生活の中でご利用いただくほどに、無意識に環境配慮の割合が高まっている。そんな会社になりたいと考えています」
 
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「気持ちがいいから行く」といわれる店に

 
こうしたワタミの環境配慮への取り組みは、必ずしもスムーズに進んできたわけではありません。多くの企業でいわれる「それは売上げにつながるのか」という社内からの意見はワタミとて同様でした。中でも最大の障壁は『コストの壁』だったといいます。
 
「誰でも気軽に利用できることにこだわりを持つワタミでは、『環境によいなら高くてもいい』という言い方は通じません。そこで、グループ全体で導入し、大量に仕入れることで価格を抑えたり、付加価値を高めることで値ごろ感を出したり、様々な工夫を行いながら『よいモノを適価で』提供できるような仕組みづくりを進めてきました」
 
その取り組みの中で、名刺やレジロールをFSC認証紙に置き換えることにも成功。現在ではほぼ全店舗で使用されているといいます。
 
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FSC認証紙を使用したロール紙はFSCマーク付きのボックスで届き、ほぼ全店で使用されている。
 
「就業期間の短いパートも多いため、FSCの認証紙が何であるのか知ってもらい、理解してもらう機会がなかなか得られないのが悩ましいですね。まだまだ十分に社内広報ができているとは言えませんが、自分が働く店がどんなふうに環境に配慮していて、それをお客様にどう伝えていくのか、様々な接点を通じて知って考えるきっかけの1つになってほしいと思っています」
 
そうした接点となりうる「小さな取り組み」は実に様々。社員研修で生産現場を見学したり、バイオマスエネルギー勉強会を開催したり、店内で発生した空瓶のリサイクルなども徹底しています。社員への環境家計簿導入や、店舗の電力見える化システムなど、自身の生活や仕事を振り返るきっかけも提供しています。
 
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名刺にもFSC認証紙のマーク入り。
 
また、お客様へのサービスにおいても、オーガニック野菜を使ったメニューや再利用できる宅食用お弁当箱など、できるところから少しずつ環境配慮を浸透させています。
 
「ただもちろん、黙っていいことをやっていればいいというものでもなく、きちんとその背景にある物語も一緒に伝えることが大切だと思っています。2013年から販売収益の一部を森林再生事業を行う社会貢献団体に寄付するカクテルを販売しているのですが、お客様からも『なんだか気分がいい』『さりげなくいいことができる』と好評で、1年間で230万円も寄付することができました。そういうメッセージ性のある取り組みも含めて展開し、シンパシーを感じて選んでいただける店づくりができればと思っています」
 

“食と畑と森”で循環する環境を次世代に

 
店や会社で環境配慮活動をコツコツと続け、周知を行いながら、一方でその活動は生産の場である畑、そして土壌や水を支える森へと広がっています。
 
2002年から千葉県山武市からスタートした、グループ農場『ワタミファーム』は、現在(2016年6月)で全国11カ所、632haに広がり、店舗で使用する農産物の約4割は、グループ農場や契約農家から仕入れたオーガニック野菜もしくは特別栽培野菜です。
 
「ワタミファームでの事業を通じて知ったのが、森の大切さでした。農業に必要な豊かな土壌と水は森が守ってくれている。しかし、日本の森の4割が昔から人の手が入ってきた人工林です。植樹や間伐など、手入れをしなければ荒れ果ててしまう。そうしてスタートしたのが『ワタミの森』の活動です」
 
「ワタミの森」の運営は、現在ワタミグループが支援する公益財団法人「Save Earth Foundation」に引き継がれ、1500名以上のワタミグループ社員がボランティアとして参加。ワタミファームの千葉県山武市の畑を取り巻く森にはじまり、長野県東御市、大分県臼杵市の森へと広がっています。
 
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ワタミの森林保全活動
 
「間伐材を店舗の内装に使用するなど、様々な活用が試みられていますが、本格的な事業化はこれからです。環境配慮活動をサステナブルな事業に育てていきますので、ぜひともご期待いただければと思います」
 
取材後、立ち寄った「和民」のお店で、森を支援するというカクテルをいただきました。おいしくいただきながら、なんとなくよいことをしたような気分に。FSC森林認証もワタミの森も、森を大切にしながら活用する大切な取り組み。それぞれの森の物語が私たちの日常を彩り、楽しませてくれる。そんなお店が増えることを期待したいですね。
 

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ワタミ株式会社
東京都大田区羽田一丁目1番3号
http://www.watami.co.jp

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