FSCの森・木を活かす人

2017.10.12

ど迫力の大木伐採を体験!自分たちで伐り出したFSCの木材でカレンダーをつくる<前編>

三菱製紙販売で毎年作成しているオリジナルのノベルティカレンダー。FSC認証紙であるのはもちろん、台座の部分にもFSCの認証材を使用しており、カレンダーを使った後も写真やメモのスタンドとして使えると好評です。そろそろ来年のカレンダーを作るべく準備が始まっており、なんと今回はFSCの森に入って、社員が自らFSCの認証材を伐り出すことからスタートするとか。その目的や、現地での奮闘ぶりを紹介します。
 

 

きめ細やかに管理された三菱製紙グループの「白河甲子の森」

 
新幹線で福島県新白河駅に着くと、空は快晴。なかなかの「伐採日和」に心が弾みます。といいつつも、三菱製紙グループの社員とはいえ、「木を伐る」経験はもちろん、木が伐り倒されるところを見る機会も滅多にありません。
 
「紙を扱う会社として、森と製品、そして利用者様をつなぐ立場にいるので、実際に森の木が製品になる現場を見てみたいと常々思っていました。今日ここで経験したこと、感じたことを、日々の仕事の中でも伝えられたらと思っています」と三菱製紙販売の渋谷えりさん。他、三菱製紙グループの社員総勢9名が伐採作業に参加します。
 
まずは作業着に着替え、森に入る前に「三菱製紙森林作業チェックリスト」に基づいて伐採に関する注意点や手順などを確認することから始まりました。

 

 
このチェックリストは、FSC森林認証のガイドラインに基づいて三菱製紙グループが独自で作成したもの。「作業を予定している森林の範囲に希少野生動植物が生息していないか」など、作業前から作業後まで14項目にわたって確認します。他にも伐り出す本数や伐る木の位置などを確認し、ヘルメットと長靴を装着して、いざ現場へと向かいました。
 

気合いばっちり!FSC認証材をゲットしてきます!三菱製紙の大久保さんと三菱製紙販売の渋谷さん。

 
三菱製紙グループが管理するFSCの森は、日本では青森県、岩手県、福島県の3カ所。今回訪れた福島県の「白河甲子の森」は、46haほどの広さ(東京ドーム10個分)に主にアカマツなどの針葉樹が植えられています。川が流れるエリアには自然に生えた広葉樹が多種多様見られ、野鳥をはじめ、シカやウサギなどの野生動物も生息し、豊かな生態系を育んでいます。
 

途中で車を降り、伐採する木のあるところまで林道を歩いていきます。森の香りが濃くて気持ちがいい!

 

アカマツを4本伐り倒し!倒れる際の迫力に大コーフン!

 
それでは、いよいよ伐採のスタートです。まずは目星を付けていたアカマツの木をチェックします。いずれも樹齢は30年ほどで、太さ22〜28cmのもの。見上げても梢が見えないほどの高さに成長しています。
 

「こちらとこちらを伐り倒します!」と、三菱製紙エコシステムアカデミー室長の長田さん。かなり太いけれど大丈夫でしょうか…。

 
さすがにこれほどの大木を切るのは、初心者には無理ということで、伐採はエコシステムアカデミーのベテランスタッフである高田さんと三崎さんが担当します。
 

頼もしい助っ人の高田さんと三崎さん。三崎さんは「森の達人・三崎孝平の樹木雑学」でもおなじみ。

 
人払いをし、木に一礼すると、チェーンソーを唸らせて一気に伐り出します。その間、わずか数分ほど。めきめきと木が折れる音がしたかと思うと、どどーんとすさまじい地響きを立てて、地表に倒れ込んできました。
 

 

 

こんな高い木も、高田さんの手にかかれば一気に伐り倒されます。

 
遠巻きに見守る私たちを尻目に、高田さんも三崎さんもチェーンソーに再びスイッチを入れると、休む間もなくどんどん枝葉を切り落とし、見る見るうちに「丸太」にしていきます。まるで魚をさばいているかのような手際の良さ!
 

 

 

 

スパスパと手際よくカットしていますが、チェーンソーでの作業はベテランでも緊張するそう。

 
丸太はサイズを測り、さらにFSCの認証材である印として切り口に緑の塗料で印を付けていきます。こうすることで、他の木材と混じらないようにしているのです。
 

印を付けるとともに、書類にも記録を残します。まとめて年に1回FSC認証機関のチェックを受けます。

 

伐り倒した木を「丸太」にするまでをお手伝い

 
さて私たちものんびり見てばかりではいられません。1本の丸太から、木材として使えるのはわずかに40%程度。その他に、木を伐り倒すと、大量の枝や葉が不要になります。今回は、こうした枝葉は森の空きスペースへと運び込み、まとめていきます。
 

細かく切り分けて、人力で運んでいきます。かさばるし、けっこう重い!

 

林道は、にわかづくりの松の枝のほうきで掃除します。環境整備も大切な仕事。

 
せっせと運ぶこと小一時間。その結果が、こちらです。1本の木には、ずいぶんたくさんの枝葉がついているんですね。
 

こんもり〜。こんなにたくさん枝葉がでました。

 
かつては燃料にするなど活用されていた枝葉ですが、今は用途がなく廃棄されることがほとんど。しかし、こうしてまとめておくだけでも、昆虫や動物の住処になり、時間が経つに連れて生き物たちによって分解され、次世代の木々を育てる土に還っていくのです。
 
一方、丸太の方は「トビクチ」と呼ばれる道具で引っ掛けて移動させ、1カ所にまとめられていきます。トビクチの扱いは一見簡単そうに見えますが、想像以上に丸太が重く、コツを知らないと四苦八苦します。
 

 

息を合わせて丸太を引っ張り出し、ゴロゴロと移動させていきます。

 
丸太を1カ所にまとめたら、ようやく伐採作業は完了! プロの手を借りながら、ようやく4本分のアカマツを伐り出すことができました。皆様、お疲れさまでした!
 

やったー!

 
とはいえ、お手伝いできたのはあくまで伐採後。木を伐る実感を得るために、まずはノコギリを体験させてもらいました。ほんの10cmほどの太さの木なのに、なかなか切り落とせない。切り落とした時にはもう汗だくです。
 

あとちょっと!

 
そして、チェーンソーの方も体験させてもらいましたが、あんなに簡単そうに見えたのに、想像以上に取り回しが難しい! ふんばっていないと振動に身体がもっていかれそうになります。森を活用するには、様々な技術が必要であると実感すると同時に、その技を次の世代に伝えていくことも大切なのだと感じました。
 

振動が手に伝わってきます。

 
1日作業でしたが、カレンダーになるにはまだまだ遠い!後編では、丸太が板になるところをご紹介します。<後編に続く
 

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