寒い冬が終われば、いよいよ野外での活動が楽しい季節がやってきます。
お休みの日に、バーベキューをするのを楽しみにしている人もいるのでは?
バーベキューと言えば、欠かせないのが「炭」。
炭火で焼いたお肉や野菜は格別ですよね。
でも、今回ご紹介するのは、炭は炭でも、バーベキューで使う炭とはちょっと違います。
観賞用として、お部屋のインテリアにもぴったりな「花炭(ハナズミ)」について、森の達人・三崎孝平さんが紹介します。
木の実や花がそのままの形で炭に!
炭とは、木材などの有機化合物を酸素が少ない状態で焼いたもので、主成分は炭素です。
一般的に「炭」と言うと、木材を原料とした「木炭」のことを言いますが、このほかにも、竹が原料の「竹炭」、椰子の殻が原料の「ヤシガラ炭」など様々な種類があり、燃料や防臭剤などに使われています。
今回ご紹介する「花炭」も、炭の種類のひとつ。森で拾った木の実、葉っぱ、花、果物などを原料とし、素材そのままの形で黒い炭にしたものです。「飾り炭」とも呼ばれ、観賞用として、500年以上も前から茶道の世界などで親しまれてきた、“見て楽しむ”炭なんですよ。
「花炭」を作ってみよう
では、「花炭」の作り方をご紹介しましょう。
今回は、「ハスの果床」「メタセコイアの球果」を炭にしてみます。
1、缶の中に、炭にしたい素材を入れる
2、蓋をする
蓋には、空気が通るように、小さな穴を開けておきます。また、蓋が飛ばないよう、針金を十文字にかけます。
3、火にかける
火にかけてしばらくすると、缶に開けた小穴から白煙が上がってきます。炭化が進んでいる状態です。
白煙が収まり、煙が青白く変わってきたら炭化が終了です。
ここまでで20~30分かかります。
4、冷まして完成!
火から下ろしたら、完全に冷えるまで蓋は開けないようにしてください。冷え切る前に開けると、熱い炭と酸素が反応して燃え上がってしまいます。
少なくとも1時間以上冷まし、缶が冷えたら、そっと蓋を開けてください。
植物以外も炭になる!?
炭にできるのは、植物だけではありません。
たとえば、「折り鶴」。少し厚めの紙で鶴を折って、炭にしてみました。
それから、こんなものも……!
「セミの抜け殻」です。取り出すときに壊れてしまいましたが、丁寧に扱うと形を残すことができます。
森の恵みがそのままの形で炭になる「花炭」。
やけどには十分注意しながら、好きな素材で楽しんでみてくださいね。
<「森の達人」こと、三崎孝平さんプロフィール>
環境保全に貢献するという目的で設立されたエコシステムアカデミーのシニアインストラクターや全国森林インストラクター会会員として活躍中。日本各地の学校や森を飛びまわり、森の大切さや、FSC森林認証について伝えています。このコーナーでは、森や自然がますます身近になる楽しい情報を「樹木講座」としてお届けしています。
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