2022.9.22

人も世界も「健康で美しくあり続けてほしい」という願いを込めて    海藻コスメブランド「ラサーナ」の配送箱にFSC認証紙を採用

ヤマサキ「ラサーナ」

 
イタリア語で「健康で美しい女性」という意味を持つ、海藻コスメブランド「ラサーナ」。絶大な人気を誇る「海藻 ヘア エッセンス」シリーズをはじめ、リピートで愛用される製品が多く、通販事業も年々成長しています。その配送箱にFSC認証紙を採用したのが2017年。さらに商品パッケージなどについても、続々とFSC認証紙に置き換えを進めています。FSC認証紙を採用した目的や経緯、お客様からの反応などについて、製造販売元である株式会社ヤマサキの皆さんに伺いました。

お話しを伺った方

株式会社ヤマサキ マーケティング部
部長 山上陽市郎さん
 

  

  
株式会社ヤマサキ 東京支店 マーケティング部 マーケティング課
課長 奈田綾香さん、平田恵未さん、中村朝美さん
広島本社と東京支社で連携して事業を推進されているとのこと。それぞれ商品や配送箱などを持ってアピールしていただきました。

お客様を感動させる手段の一つとして「配送箱」をリニューアル

「健やかで美しくありたい」という女性の永遠の願いに応えるため、海藻のエキスをはじめとする自然の恵みに、科学の力をかけ合わせて誕生したコスメブランド「ラサーナ」。1987年の発売以来、累計売上2100万本を誇る主力商品の「海藻 ヘア エッセンス」をはじめ、多くの人気ヘアケア・コスメ商品を世に送り出してきました。

「ラサーナは、商品を通じて一人でも多くの方に感動と満足をお届けしたいと考え、”3つのお約束”として掲げています。1つめは『感動品質』で、品質にご納得いただけるよう、創業当時から商品化前のホームユーステストや効果を試せる無料サンプルパウチの提供などを実施し、2つ目の『安心・安全』では、研究開発から出荷まで一貫して自社で行うことで安全性を担保。さらに、毛髪診断士や社内資格の美髪アドバイザーなどの認定取得を通じて専門性を高めています。そして、3つめの『感謝・配慮』は、お客様へのみならず、地球や環境にも向けられたものになります」(平田さん)

株式会社ヤマサキ 東京支店 
マーケティング部 マーケティング課 平田恵未さん

たとえば、商品に欠かせない「海藻」は採り過ぎないよう手摘みされたもの。その他、自然の中で分解されやすい原料を使用するなど、環境に配慮した処方を採用しています。また、資源の削減を目的に詰め替えパックにいち早く取り組み、2017年秋にはFSC認証の段ボールを採用したオリジナルの配送箱を開発しました。

開発を手掛けた山上さんは、「当初はコストダウンが目的だったのですが、それだけではお客様にプラスアルファの価値を提供できない。お手にとっていただいた時に、ブランドへの愛着や信頼感を感じてもらえるような箱にしたいと考えました。そこで、使い勝手や見栄え、そして環境配慮も重要な要素と捉え、総合的に見直すことにしたのです」と当時を振り返ります。

株式会社ヤマサキ マーケティング部
部長 山上陽市郎さん

当時の担当者は山上さん一人きり。試行錯誤しながら、ワンタッチで開けられる形状にしたり、段ボールの全カット辺の角をなくして波型にすることで怪我のリスクを減らしたり、届いた先での快適性を考慮しながら、様々なアイデアを形にしていきました。

「さらにテープではなく、フラップと送り状を貼り付けて閉じるようにしたことで、透明テープを年間200km分も削減し、梱包・開封を簡便にできるようになり梱包作業時間が大幅に削減できました。また、ミシン目も工夫して、重たい商品でも破れにくく、かつお客様が容易に開封できるようにしました。そして一番実現したかったのが、FSC認証段ボールへの切り替えだったんです」(山上さん)

清潔感のある白い配送箱に「FSCマーク」が!

もともと山上さんがFSC認証について知ったのは、リオデジャネイロ・オリンピックで会場にFSC認証材、チケットや封筒などにFSC認証紙が使われていたことがきっかけでした。そこで、配送箱の見直しを機に、通販事業者が扱う様々な配送箱を集めてみたものの、FSC認証紙を使ったものがほとんど見当たらなかったといいます。

「どこも扱っていないなら、いち早く取り組めば、私たちの環境配慮について訴求もできて他社との差別化にもなるし、将来の種まきになるのではないかと考えました。そこで早く実現したかったのですが、当時お取引のあったところはほとんどFSC認証紙を扱えず、またあってもFSC認証の段ボールといえば茶色のものばかりでした。コスメは清潔感が大切なので、できれば白いものにしたかったんです。また、配送時にも目立つので大切に運んでもらえますし。そんな時に、取引を開始したばかりの事業者さんが見つけてきてくださって、ようやく採用ということになったわけです」(山上さん)

環境への思いや取り組みは、伝えることが大事

いろいろと試行錯誤しながら開発した配送箱は、お客様にも大変好評で、発送を担当するスタッフなどからも「扱いやすくなった」との評価を受けました。さらに、公益社団法人日本包装技術協会が主催する「2018日本パッケージングコンテスト」において、『輸送包装部門賞』を受賞することとなりました。

「2018日本パッケージングコンテスト」で
『輸送包装部門賞』を受賞

現在はラサーナ用の配送箱は全てのサイズでFSC認証段ボールになっており、月にして4〜5万箱も使用されているといいます。

「しかし、一気に切り替えたものの、お客様からの反応はほとんどなくて。環境配慮を行なったからといって、何も言わなければ伝わらないと痛感しました。伝わるようにするために、何か仕掛けが必要と考え、社内で相談したんです」(山上さん)

そのバトンを受け取ったのは、広報・広告を担当する奈田さんでした。コロナ禍で配送も増える中で、個人的にも日常生活の中でFSCマークを目にする機会が増え、SDGsなど環境配慮への関心の高まりを感じるようになっていく。その波に乗って、いち早く取り組んできたFSC認証段ボールの採用について発信しようと考えたといいます。

株式会社ヤマサキ 東京支店 マーケティング部
マーケティング課 課長 奈田綾香さん

「FSCについて発信するには、まずはプロモーション認証が必要だと知り、早速取得しました。そして、一方的に伝えるのではなく、楽しみながら知ってもらう方法を考え、FSCジャパンさんと連携しながら、『FSCマークを発見!キャンペーン』を実施しました。配送箱についているFSCマークを撮影してTwitterに投稿していただくと、抽選でラサーナ商品が当たるという企画だったのですが、期待以上に多くの方に参加・投稿いただきました」(奈田さん)

FSCジャパンとの連携で行った
「FSCマークを発見!キャンペーン」

さらに投稿には、『地球にやさしい取り組みですね』『最近、FSCマークのついたパッケージが増えてきましたね』といったコメントが添えられていることも多く、ブランドからのメッセージが伝わっただけでなく、お客様からも反応が伝わってきたのが「うれしかった」といいます。

「FSCマークを仲立ちとして、私達が大切にしている環境配慮についてお客様も同じように感じられていることが伝わってきて、お互いに信頼感が増したように感じました。これを機に社内でもFSCに対する認知・理解が広がり、一年間で格段に環境配慮への意識も高まったと思います」(平田さん)

学校でFSCマークについて習ったたことがあるという中村さんも「入社後、実際に限定商品の企画を担当した際にFSCマークを箱に入れる機会があり、さらに意識するようになりました。また、消費者としても自分が好きなブランドが採用していると知って、一気に好感がアップするという体験をしました。同じようにラサーナについても、FSCの取り組みをお客様に知っていただくことで、共感・好感をもってもらえるといいなと思っています」と語ります。

株式会社ヤマサキ 東京支店 マーケティング部
マーケティング課 中村朝美さん

お客様の共感を得ながら、FSC認証紙を製品箱にも採用

社内の認知・理解が広がるとともに、商品の化粧箱でも積極的にFSC認証紙への切り替えが進み、現在は10アイテムほどがFSC認証紙のパッケージを採用しています。2022年3月から定番商品となった「海藻 ヘア エッセンス ヒートメモリー」もその1つ。もとは75mlのサイズのみだったのが、大好評を得て、大容量サイズと詰替パックも登場し、通販用にFSC認証紙のパッケージが採用されました。

「もっと増えてきたら、配送箱だけでなくいろんなアイテムを対象にして、FSCマークのキャンペーンを企画してみたいですね」と奈田さん。

「山上さんから相談されて、商品のPRポイントとしてFSC認証紙のような『環境配慮』という軸があるという気づきがありました。特にラサーナのお客様は、自然の恵みや環境配慮への感度が高い方が多いと思います。そうした方々の感性や価値観に訴え、共感を得られるよう、積極的に情報発信していきたいと思います」

ラサーナが掲げる「きれいの約束」は、髪や肌などの美しさだけでなく、自然や環境の美しさや豊かさを守ることにも広がりつつあります。キャンペーンを通して、ブランドの選択や方針決定に「いいね」と反応する。そうした私たちの行動や意思決定が、ブランドをよりステキなものに進化させていくのでしょう。

ヤマサキ「ラサーナ」ブランドサイト
https://www.lasana.net/

RELATED POST関連記事