「IID green!clean!」紙すき体験レポート
ゴールデンウィーク初日となった4月29日、世田谷区池尻において開催された 「IID green!clean!」(※)に、 三菱製紙エコシステムアカデミーが出展。 広葉樹・針葉樹や牛乳パックからのパルプ(紙の原料)を使って子どもたちが紙すきを体験し、手作りのはがきを作りました。
※世田谷ものづくり学校で”緑化”や”環境”などをテーマに毎年開催されているイベント。
木を切るのはいいこと?悪いこと?
森のサイクルについて解説
この日は午前中に1回、午後に2回開催。事前申し込みで3回とも満員御礼と大人気でした。
紙すき体験の前に、三菱製紙エコシステムアカデミーシニアインストラクターの三崎孝平さんによる森についてのミニ解説。
まず三崎さんから子どもたちに質問。
「木を切るのは良いこと?悪いこと?」
これには子どもたちも、悩んでしまったのか、なかなか答えが出ない様子。
実は、日本で使われている木材の半分近くは紙になっているとのこと。それでも森がなくならないのは、木を育てて守っている人がいるからなんだそう。また、森のサイクルについても説明がありました。
「木が育つには40年~50年かかります。今使われているのはお母さんやお父さんが生まれる前に植えた木なんだよ」という説明に対してみんなからは一斉に「へぇ~!!」という声が。
年数の長さに素直に驚いていました。
さあ、紙すき体験開始!
森の話が終わったら、紙すき体験の開始。
あらかじめお湯で煮て柔らかくした牛乳パック(※)に、広葉樹や針葉樹のパルプと水を混ぜ攪拌した原料を型に流し込みます。
このとき使う原料は500cc。ここから5gのはがきを作ります。
なんと495g分の水分をどうにかしないといけないことに。そう、紙はいかに水をとばすかが鍵になるのです。
※牛乳パックは表面の印刷面と、容器内のラミネートフィルムを剥がして、芯の部分だけ使います。
枠に流した原材料をキレイに平らにしたら、ゆっくりゆっくりすのこを外し、さらに水を吸い取ります。
ろ紙で水分をとったら、さらにろ紙と新聞紙にはさみ、足で踏み踏み踏み…
次にアイロンで湯気が出なくなるまで乾かします。
ここまできたらもう一息。
最後にはかりで重さを量ります。
5gになっていたら成功!みんなドキドキしながら順番待ちです。
見事はがきとして認められたら、郵便番号欄のスタンプを押します。
自分でつくったはがきと一緒に記念撮影。「はがきどうするの?」と聞くと、
「夏休みにじいじ、ばあばに送る暑中お見舞いにする!」とのこと。
「あ!紙になった」その瞬間に気づくこととは?
全員のはがきが見事完成!最後に原料となったパルプについて解説がありました。
針葉樹は木の繊維が長いので封筒などに使われることが多く、広葉樹は繊維が短いので印刷用紙によく使われるそうです。
木の繊維や特性でさまざまな用途に使い分けられているんですね。
「始めはできるかな?と半信半疑の子どもたちですが、水を吸い取ったり、一生懸命乾かしたりしている間に『できた!』とわかる瞬間があるんです。そのときの表情がとてもいい」とスタッフの声。
木の破片(チップ)からぐずぐず状態のパルプ(原料)に、そして紙に…。
紙が何からできているのか、どんなものが必要なのか、さらに紙ができるまでにはいろんな作業を経るということを体験した子どもたち。
紙すき体験を通して、自分たちが普段から使っている紙から、木について、森について関心を持ってもらえるきっかけになったことでしょう。
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