FSCマーク製品ものがたり

2015.3.9

FSCマーク製品ものがたり

  • 太陽が育てた「恵み」を最大限に活かすために
  • キッコーマン
    デルモンテ「エコ楽キッチン」シリーズ
 
真っ赤なトマトのマークでおなじみの「デルモンテ」ブランド。日本では醤油のトップメーカーであるキッコーマンが加工食品の商標を取得し、販売しています。ケチャップやトマトソースなど様々な商品がある中で、今回ご紹介するのは「エコ楽キッチン」と名付けられた紙パック入りの商品。国際森林認証の「FSCマーク」がばっちり入っています。実は一度は消えかけた(?!)というFSCマーク。いったいどんな物語があったのでしょうか。

お話しを伺った方

キッコーマン食品株式会社
プロダクト・マネジャー室
デルモンテ輸入品担当
松田祐志さん
滋賀県出身で自然に親しんで育ったという松田さん。かつては京都や滋賀でキャンプや沢登りを楽しみ、森にも頻繁に出かけていたそう。「最近は仕事漬けの毎日ですが、先日は久々に夫婦で富士山に登りました。すごくきつかったですが雄大な景色に癒され、妻との絆も深まったように思います。やっぱり人間は豊かな自然の中に身をおくことが大切なんだなと実感しました」。

欧州で一般的な紙パックごと「FSCマーク」も導入

 軽くて丈夫、廃棄しやすくリサイクルも容易な『紙パック』を採用した「エコ楽キッチン」。長期常温保存が可能で、パッケージごと湯煎ができることから、日常的に使う食材としてはもちろん、災害時の備蓄品やキャンプなどのアウトドア食材としても人気が高まっています。

 

取り扱いがしやすく長期保存が可能な「紙パック」を採用。パスタソースは湯煎もOK。

取り扱いがしやすく長期保存が可能な「紙パック」を採用。パスタソースは湯煎もOK。

 

 「もともと『紙パック』は、環境先進国が多い欧州では広く普及し、様々な商品に展開されています。デルモンテとして紙パック製品を開発するにあたり、『FSCマーク』についても提案を受け、そのまま採用したと聞いています」

 

と、開発当時を説明する松田さんは、後任担当者となって3年。実は、引き継ぎ前には『FSCマーク』の知識は皆無と言っていいほどでした。

 

「商品の中身や紙パックのメリットなどについては熟知していたつもりでしたが、FSCマークは盲点でした。『このマークは何ですか』と聞いて、前任者にむっとされてしまいました」

 

松田さん

 

 そんな“受け身(本人談)”での出会いだったものの、FSCの仕組みを知るほどに「こんな大切なこと、もっとアピールすればいいのに」と思うようになっていったそう。

 

「とはいえ、自分も知らなかったように、社外だけでなく社内にもあまりアピールされていないんです。PR動画なども作られてはいるんですが、どうしても紙パックの気密性や使い勝手など、機能性がクローズップされがちで…」

 

エコ楽キッチン動画1エコ楽キッチン2

Youtubeで「紙の缶詰」として紹介。FSCマークについても触れているが…

 

 日常的な食品だけに、情報提供も「おいしさ」や「機能性」に偏りがち。「環境配慮についてもしっかりアピールできたら」と思いながらも、日々の雑事に追われていたある日、当時の上司からの急な相談に仰天することになります。

 

消費者が「FSCマーク」に触れる機会を提供する

 

 「担当者になってまもなくの頃、「『FSCマーク』は、あまり日本で知られていないし、他の情報を入れた方がお客様にメリットがあるのではないか」と、言われたんです」

 

正直、担当者になるまで知らなかったFSCマーク。しかし、松田さんは上司に反論しました。消費者がFSC森林認証に触れる機会といえば、商品しかない。企業として、その機会をなくしていいのだろうかーー。

 

松田さん3

 

「会社にすぐにメリットがなくても、少しずつ広げていくためには、地道に商品に記載し続けていくことが大切なんじゃないかと、食い下がりました。でも、確かにマークだけがあっても何を意味しているのか、普通の人にはわかりにくい。そこでスペースを調整して『環境にやさしいFSC(森林管理協議会)認証容器』と説明書きを入れたんです」

 

これならば、商品を手にした人がふと気がついて「このマークはなんだろう」と興味を持ってもらった時、その一文ですぐに理解してもらえます。小さな工夫ながら、効果はすぐに表れました。消費者からFSCマークについての問い合わせが入るようになったのです。

 

FSCマーク

FSCを知ってほしいという願いを込めた説明文をマーク周辺に追加
 

「といっても、やっぱりレシピや使い方、原材料などの問い合わせが断然多いんですけれどね(笑)。でも、私がそうだったように『このマークはなんだろう』と疑問に思うことから理解は始まるんだと思います。そして、消費者、特に主婦の皆さんは小さなパッケージでも、そこに記載された情報をしっかりと見ていらっしゃることがよくわかりました」

おいしさと機能性、そして「エコ」もセットで考える

 

 松田さんがFSCマークを残すことにこだわった理由。そこには、個人的な思いが多少なりともあったと振り返ります。

 

「大学時代には植物分子工学を専攻していて、ゆくゆくは太陽の下で農家の人と触れ合いながら、おいしいトマトをつくることを夢見ていました。でも、現在の仕事は原料調達や品質管理などで、経済合理性を重視せざるを得ない役割を担っています。もちろん、仕事にやりがいはありますが、どこか、自然にもっと関わりたいという気持ちがあるのでしょう。FSCのマークを通じて、自然や森を守ることに少しでも関与できたら、そう思ったのかもしれません」

 

松田さん4

 

そんな松田さんのような思いを持つ人がキッコーマンには多いのでしょうか。同社では、メイン商品である醤油の搾りかすをリサイクルしたり、瓶やペットボトルなどの容器を工夫して環境負荷を減らしたり、様々なエコ活動が行われています。

 

「もちろん企業として商品の品質や価格での競争優位性は追求しなければならないし、パッケージが重要な一要素であることは間違いありません。ただし、企業活動を行なう上でも、やはり環境配慮の視点は持っていたい。おいしさと機能性とエコ、すべてを担保しながら商品づくりを進めることが、今後はますます求められるのだと思います」

 

キッコーマン食品株式会社
東京都港区西新橋2-1-1
http://www.kikkoman.co.jp/delmonte/tetra/pack/index.html

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