2020.6.24

第15回 “森の宝石”を探そう!ぷっくりつやつやの「木苺」たち

手仕事が忙しくも楽しい季節となりました。

こんにちは。
東京の森、檜原村に暮らす、ちよこです。
 
緑が色濃くなり、草木が競うように葉を茂らせ、植物たちの生きる力に満ちている檜原村の森。
そんな逞しくパワフルな草木の力をお裾分けいただこうと、あれこれ採ってきては、お茶にしたりチンキにしたりと、手仕事が忙しくも楽しい季節となりました。
 

たくさんの瑞々しい葉と花をつけた「エゴノキ」

薬草を使った「チンキ」

そしてこの季節、パッと目をひく宝石のような植物があります。
それは真っ赤なルビーのような可愛らしい木の実、そう「木苺」です!

見た目も可愛く美味しい木苺ですが、森には色々な種類の木苺があることをご存知ですか?
今回は、そんな森の宝石「木苺」を紹介したいと思います。

木苺はリースのように並べてもかわいい!

 

こんなにたくさん!森の宝石「木苺」たち

まずは私の一番のお気に入り「クサイチゴ」を紹介します。

  

背丈が低く、“クサ”と名前についていますが草本類でなく木本類、つまり木の仲間です。
春になると可愛らしい白い花が咲き始めるので、森の中で目立つその花を探しては、今年はどこに沢山実ってくれるかな?と楽しみにしています。

  • クサイチゴの可愛らしい白い花

クサイチゴは大粒な実が多く、園芸種のイチゴに香りが似ていて、甘みが強く美味しい種類です。
背丈が低いため、子供たちとも気軽に採ることができますが、枝には小さなトゲがあるので注意が必要です。

こんなに大きい粒も! 

 
さて次は「モミジバイチゴ」です。

葉の形がモミジに似ていることから、こう名付けられたそうです。
 
葉の下に白い花を下向きにつけ…

  

花が終わると、黄色の瑞々しく甘酸っぱい果実が、木の下に垂れ下がるようにたわわに実ります。

 

モミジバイチゴは、「木苺の中で一番美味しい」と言われることが多い人気の種類です。
道沿いに茎がしなるようにせり出して生えていることが多く、比較的採りやすいので子供達にも人気の木苺です。

こんな感じで採ってます!

 
次は「クマイチゴ」。

  

名前の由来は、クマが出そうな場所に生えているからだとか、木苺の中では大型だからだとか、色々な説があります。
 
確かにクマイチゴは大きく立派な茂みを作り、枝のトゲも固く丈夫でなので、果実に気を取られてうっかりそのまま手足を伸ばすと、トゲで傷だらけになってしまうため注意が必要です。
 
クマイチゴも、やはり春に可愛らしい白い花を咲かせた後、真っ赤な実をつけます。

木苺の果実は、小さな実(核果-かくか-といいます)が集まってできていますが、クマイチゴの核果は先がとがっているのが特徴的です。
 
クマイチゴも爽やかな酸味と甘みがあって美味しく食べられます。
 
 
次は「ニガイチゴ」。

  

名前が特徴的なニガイチゴ。
名前に反して実は甘くて美味しい木苺ですが、核果の中にある種(核)に苦みがあり、それが名前の由来になったそうです。確かに食べてみると、甘くて美味しいけれど、後味にほんのり苦みが残りました。
 
クマイチゴに比べると小さいですが、茂みを作り春に小さな白い花を上向きに咲かせた後、赤い果実をたくさん実らせます。

茂みに沢山の赤い苺が実っている様子はとても可愛らしく、大きな茂みを見つけるとまるで絵本の世界へ迷い込んだかのようです。
 
この他にも寒い季節に実る「フユイチゴ」なども檜原村に自生していますが、また別の機会に紹介させてくださいね。
 

たくさん採れたら、ジャムやお酒に!

木苺をたくさん見つけたら、お楽しみがもうひとつ待っています。
それは、「木苺ジャム」や「木苺酒」作り!
 
甘酸っぱい木苺は、そのままパクリと食べてももちろん美味しいけれど、加工することで長期間保存でき、様々な形が楽しめます。
 
今年の木苺は大豊作!沢山採れたので、色々作ることができましたよ。

沢山採れたクサイチゴ

まずは、ジャム作り。

  

木苺は蟻など虫さんたちの好物でもあり、果実の中に虫が潜んでいることがあるため、採れた木苺は少量の塩を入れたお水で一つ一つ丁寧に洗います。

  

そして、木苺の1/2の重さのお砂糖と一緒にコトコト煮て作りました。

クサイチゴで作ったジャムはイチゴ特有の甘い香りで、プチプチした種の食感も楽しく、とてもおいしくできあがりました。
 
 
それから「木苺酒」。
35%以上のアルコールにグラニュー糖と一緒に漬け込みました。

こちらは、仕上がるのは数か月後。どんな香りと味になるのか楽しみです。
 
また、冷たいデザート「シャーベット」も作りました。
木苺に生クリームと牛乳、お砂糖を加えてミキサーにかけて、凍らせて作ります。

こちらも種の食感が楽しく、綺麗なピンク色のシャーベットができあがりました。

  

それから北欧ではベリー類をお肉料理のソースに使うので、裏ごしたモミジイチゴを加えたソースを作ってラムチョップに添えてみました。程よい酸味が活かされてとても美味くなりましたよ。

  

毎年この季節には、もう色づいたころかな?とソワソワしながら森を歩き、夢中になって子供たちと木苺狩りを楽しんでいます。
息子が言うには、「山の男のおやつ」なんだそうですよ。

大人も子供もウキウキ楽しい気持ちになれる木苺は、場所や種類によって、夏まで楽しむことができます。
皆さんも森の宝石を探す探検に出かけてみてはいかがでしょうか?
 

  

注意!:どの木苺にもトゲがあるので、肌が傷つかないように、長そで長ズボン、軍手の着用を忘れずに探検して下さいね。
 
 

「ちよこ」こと、田中千代子さんプロフィール

 

東京都檜原村在住。男の子2人のお母さんで、夫である田中惣一さんは江戸時代初期から続く林業家の15代目。森を活かしながら守る“これからの林業”の在り方を模索しています。千代子さんもまた、もともと好きなクラフトや料理に森の恵みを活かす暮らしを実践中。そのヒトコマを季節の「森だより」としてお届けします。

RELATED POST関連記事