2019.12.6

木特有の温かみある音響が魅力! 自然に対するリスペクトをオーディオとして形に

完実電気株式会社「ハウス・オブ・マーリー」

 
音楽鑑賞用のイヤフォンやヘッドフォンにも、自然環境にやさしい製品があるのをご存知ですか? 米国のオーディオブランド「ハウス・オブ・マーリー」は、FSC認証材をはじめとする環境に配慮した素材を使用した製品づくりに取り組んでいます。そこにはどのような意味や思いが込められているのでしょうか。同ブランド製品の輸入代理店である、完実電気株式会社の熊沢秀剛さんにお話を伺いました。
 

お話しを伺った方

完実電気株式会社 輸入課 ブランドマネージャー 
熊沢秀剛さん
広告代理店勤務、NY在住を経て、「インターナショナルな仕事がしたい」と同社に入社。ハウス・オブ・マーリー以外にも多くの海外ブランドを手掛けています。2019年は仕事とプライベートを合わせて22カ国を訪問したという海外通。プライベート旅行では、現地の自然やカルチャーに触れる自由気ままな一人旅がお気に入りだそうです。「世界各地の人々と仲良くなって話をしていると、日本よりも環境意識の高さを感じることが多いですね」

ボブ・マーリーの思想を具象化するため誕生したブランド

70年の歴史をもつオーディオ専門商社である完実電気株式会社。国内外のオーディオを多数扱っていますが、その1つにハウス・オブ・マーリーという米国ブランドがあります。

ブランドのルーツにあるのは、「レゲエの神様」「魂の反逆者」「叫ぶ平和の使者」などと称されるボブ・マーリー。1970年代に世界的に活躍し、現在も世代を超えて愛され続けるジャマイカ出身のミュージシャンです。製品名はすべて、ボブ・マーリーの曲名に由来して付けられています。

「ハウス・オブ・マーリーは、ボブ・マーリーの普遍的な愛や音楽、そして自然や生命に対するリスペクトを環境に配慮した製品を通じて具象化しようと、ボブ・マーリーの親族であるマーリーファミリーのビジョンのもと、2010年に誕生しました。環境に配慮した製品を作ることでよりよい世界の実現をミッションとしている、オーディオブランドとしては稀有な存在です」(熊沢さん/以下同)

ブランド担当の熊沢さんは、ハウス・オブ・マーリーの取り扱いを始めるにあたってジャマイカを訪れ、ボブ・マーリーの軌跡を辿ったといいます

FSC認証材が音響性能、デザイン性をアップ

ハウス・オブ・マーリーのヘッドフォンやイヤフォン、スピーカーなどの製品には、随所に木材が使われ、カラフルな色とともにデザインのアクセントになっています。

「木が使われている理由は、デザイン性以外にもいくつかあります。その1つは音響面の効果です。商品の一部に木材を使用することで、木特有の温かみのある音の響きを楽しむことができます」

    • ヘッドフォン「Positive Vibration 2 Wireless」

      ヘッドフォン「Positive Vibration 2 Wireless」

    • イヤフォン「Smile Jamaica」

      イヤフォン「Smile Jamaica」

そして、もう1つの大きな理由が、環境への配慮だといいます。ヘッドフォンやイヤフォンに使われている木材の多くはFSC認証材。このほかにも、オーガニックコットンや再生麻などをブレンドして織られた布地、リサイクル・アルミニウムなど、環境に配慮した素材が使われています。

「これは、最新のテクノロジーを自然と融合させることによってサスティナブルな社会を目指す、というブランドのメッセージそのもの。実は、その製造には通常の約1.5倍の時間がかかるのですが、それでも取り組んでいるのです。また、耐久性を高め、商品の寿命を延ばすことで、廃棄量を抑えるねらいもあります」

ヘッドフォンの製品パッケージにFSCマーク発見!

ヘッドフォンの製品パッケージにFSCマーク発見!

サーファーやアウトドア派など、自然志向の人に人気

完実電気は2016年からハウス・オブ・マーリーを扱っています。取り扱い開始に先駆けて、最初に熊沢さんの目を引いたのは、その印象的なデザインだったといいます。

「ブランド創設直後は様子を見ていったん取り扱いを見送ったのですが、出張や旅行で海外を訪れると頻繁に見かけるようになって、部屋に置くとインテリアにもなるデザイン性の高さや、空港などで店頭にずらり陳列されている様子がとても気になっていました。その後、縁があって契約することになり、『ようやくこの時がきた』という気持ちだったのを覚えています」

オープニングイベント会場に並んだハウス・オブ・マーリーの製品。イベントには、ボブ・マーリーの息子のローハン・マーリーさんや俳優の浅野忠信さんも登場したそうです

デザインから入ったハウス・オブ・マーリーとの出会いは、熊沢さん自身の環境意識にも影響したといいます。

「製品を市場にPRするにあたってFSCマークの意味や素材の効果などを勉強し、私自身、環境への意識が変わったように感じます。私が学んだことは社内の営業担当にもレクチャーしたので、私のようにFSCの存在を知ったり、環境の大切さを改めて感じたスタッフも多かったのではないでしょうか。さらには、その知識や意識が、販売店やエンドユーザーのみなさんにも伝わっていくことを期待しています」

イヤフォンのパッケージもFSCマーク入り

現在、同ブランドは20代~40代を中心に、ボブ・マーリーを知らない世代にも支持されているそうです。

「スピーカーは防水になっているものもあり、特にサーファーやアウトドア派など、自然と親しむことが好きな層に人気がありますね。値段も手頃なため、学生の方にも使っていただいています」

ブランドを通じて、消費者の環境意識を高めていきたい

ハウス・オブ・マーリーの目指す世界観は、製品づくり以外の面にも表れています。その代表例が、売上の一部を充ててチャリティーとして取り組んでいる再植林の活動です。

「2017年以降、インドネシア、オーストラリア、ケニア、ブラジル、インド、アメリカなどさまざまな国で19万1000本の植林を行ってきました」

ユーザーも製品の購入を通して植林活動に参加することができる

同ブランド製品は世界的に人気があり、これまで「2019 CES CTA Innovation Awards – Sustainability and Eco-Design」「2020 CES CTA Innovation Awards – Sustainability, Eco-Design & Smart Energy」を受賞するなど、数々の栄誉に輝いています。最近では「2019 FSC Leadership Award」の受賞が決定しました。

「ハウス・オブ・マーリー製品での音楽体験を通して、みなさんが少しでも環境に対する意識を高めていただけたら、輸入代理店として非常にやりがいがありますね」

みなさんも、お気に入りの音楽を聴きながら、自然の恵みやサスティナブルな社会に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

【取材先募集のお知らせ】
FSC応援プロジェクトでは、FSC認証製品を導入し、利用を推進する企業様を募集しております。
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お送りいただいた内容より、掲載可否を精査させて頂いた上での取材となります。
必ず掲載とならない旨、何卒ご了承ください。

ハウス・オブ・マーリー
(輸入代理店)
完実電気株式会社
東京都千代田区神田神保町3-25
https://thehouseofmarley.jp/

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