2019.2.1

第12回 冬の寒さを乗り切る!あったか〜い手作りホットドリンクはいかが?

檜原村のFSCの森にも冬将軍が本格到来!

皆さん、こんにちは。
東京の森、檜原村で暮らす、ちよこです。

ここ檜原村では、気温がどんどん下がり、本格的な寒さがやってきました。
夜には氷点下まで下がり、昼間でも気温が低いので分厚い氷や霜柱が溶けずに残っています。

凛として澄んだ空気は心地よく、夜空の星もキラキラと美しかったり、自然が造った霜や氷のアートを見られたりと、お楽しみもいろいろ。
以前ご紹介したように「霜活*1」も楽しみ放題です。

*1:「FSCの森の”霜活”☆雪や氷が作り出す造形美にうっとり!」より

そんな寒い季節も、子どもは風の子。北風もへっちゃらでほとんど毎日外遊びです。

氷を手づかみ!冬の森も子どもたちには遊び場です。

とはいえ、ちょっと油断をすると体の芯から冷え切ってしまうことも。
風邪をひいたら一大事!ですよね。

そこで、今回はそんな冷えきった身体をポカポカ温める救世主。
我が家で愛飲している「手作りホットドリンク」を紹介したいと思います。

体の芯からポカポカジンジャーシロップ

まずは、檜原村でも作られている生姜を使ったシロップを紹介しましょう。

生姜に含まれているジンゲロールという成分は、加熱することでショウガオールという成分に変化して、体の内側をしっかり温めてくれるそうです。

一緒に入れたシナモンは香りが良くなるのはもちろん、漢方では「桂皮」として使われているように、体を温めてくれたり、むくみを予防したり、免疫力アップや美肌作りなど嬉しい効果があるといわれています。同じようにクローブも抗酸化作用や胃腸の調子を整えて消化を促したりと様々な効果が望めるそうです。

手軽に購入できるスパイスで簡単に作れますし、甘くて飲みやすいだけでなく、アレンジもしやすいので、ぜひ作ってみてくださいね。

レシピ1★ちよこさんの温めジンジャーシロップ
【材料】
生姜 300g、きび砂糖300g、水450cc、シナモンスティック1本、クローブ 3粒(あれば)
【作り方】
①生姜を洗い薄切りにします。
②鍋に①の生姜ときび砂糖を入れまぜて、1時間から一晩おき、水分を出します。
③鍋に水、シナモンスティック、クローブを入れて中火で加熱し、沸騰したら弱火にして30分ほど煮ます。
④粗熱がとれたらザルでこし、清潔な瓶にいれて保存します。

ジンジャーシロップは冷蔵で1週間ほど保存でき、製氷皿にいれて冷凍庫で凍らせれば長期保存も可能です。お湯で割ってホットドリンクにしたり、紅茶に入れてジンジャーティーにしたり、お料理に使うこともできます。

こした後に残った生姜は、保存袋に入れて冷凍しておき、料理や別のホットドリンクに使ったりもしています。少し干してから砂糖をまぶしてジンジャーチップにしてもおいしいですよ。

スパイスたっぷり!風邪対策ドリンク

さてさて、続いては……
「風邪かな?」という時に飲みたい、ホットドリンクを紹介したいと思います。

左上から時計回りで、生姜、シナモンとクローブ、乾燥よもぎ、生蜂蜜、紅茶。真ん中は乾燥なつめ。

熱が上がりそうな寒気のある風邪の時には、生の生姜をすりおろしてたっぷり入れたドリンクがおすすめ。ぽかぽかと体を温めてしっかり汗をかき、風邪を追い出しましょう。生姜に含まれるジンゲロールに発汗作用があるそうなのですが、熱に弱いため、火を止めてから入れるのがポイントです。

前述の生姜シロップに使ったスパイスに加え、春に村で採って乾燥して保存しておいたよもぎ*2や乾燥なつめも入っています。いずれも漢方薬としても使われており、体を温めたり気持ちをリラックスさせたりする効果があるそうです。
*2:FSCの森で魔女気分2☆ハーブの女王「ヨモギ」の活用法より

レシピ2★ちよこさんの風邪対策ドリンク
【材料】
生姜 ひとかけ (お好みで調節してください)
紅茶ティーパック 1つ
生蜂蜜 お好みの量
A
シナモンスティック 1/2本 (シナモンパウダーでも可)
クローブ 2粒
乾燥よもぎ 1つまみ(あれば)
乾燥なつめ 1つ(あれば)
水 400cc
【作り方】
① 生姜をすりおろします。
② Aを小鍋に入れて火にかけ、沸騰したら弱火で15分ほどコトコト煮ます。
③ ②に紅茶ティーパックを入れ、お好みの濃さにします。
④ ③をカップに注ぎ、少し冷めたらお好みの量の蜂蜜を入れ、すりおろした生姜の絞り汁を入れてよくかき混ぜてできあがりです。

殺菌効果や喉を整える効果があると言われている生蜂蜜を、甘さとして加えています。なお生蜂蜜には熱に弱い酵素が含まれているので、少し冷ましてから入れるのがおすすめです。

私は今シーズンにさっそく高熱が出る風邪を引いてしまったのですが、熱々のこのドリンクをふーふーしながら飲んで、すぐに布団にもぐりこんで暖かくして寝たところ、翌朝にはすっかり熱が和らぎましたよ。(効果は体質や体調によりそれぞれです。高熱が続く場合には速やかに医療機関へ受診をお勧めします)

子どもも大好き!ピンクのベリー入りドリンク

最後にもう1つ紹介しますね。実は生姜入りのドリンクは、我が家の息子達は飲んでくれません(汗)。 生姜のピリッとした辛さが苦手というのです。そこで、そんな息子達のための生姜ひかえめレシピもご紹介しますね。

クランベリーには、豊富なビタミンCとポリフェノールが含まれていて免疫力アップが期待できるそう。甘酸っぱさと可愛いらしい色で子どもたちにも人気です。

私は、庭で育てたクランベリーと秋に輸入スーパーなどで手に入る生のクランベリーを冷凍保存して使っていますが、日本ではなかなか入手しにくいかもしれません。難しい場合はクランベリージュースで代用してくださいね。

ちなみにちょっぴり入れたタイムも我が家の庭で育てたもの。抗菌作用があり、含まれているサポニンが喉の不調や痰の除去にも効果的と聞いたので加えています。
レシピ3★甘酸っぱいピンクのベリー入ドリンク★
【材料】
冷凍クランベリー 7〜8粒
ジンジャーシロップをこした後の生姜 お好みの量(スライスした生姜でも可)
(ジンジャーシロップをこした後の生姜は辛さがマイルドなので、子ども用ドリンクにぴったりです)
シナモンスティック 1/2本(シナモンパウダーでも可)
クローブ 2粒
タイム 一枝
水 400cc
生蜂蜜 お好みの量
【作り方】
① 小鍋に生蜂蜜以外の材料を入れ、火にかけます。
② 沸騰してきたら弱火にして煮詰めると、プチン!パチン!とクランベリーがはじけてピンク色のジュースになります。
③ こしながらカップにそそぎ、少し冷めたらお好みで生蜂蜜を入れて完成です。

このレシピは、小さな頃からムーミン大好きだった息子からの「ムーミンママが作っていた風邪用の飲み物が飲みたい」というリクエストから生まれました。

可愛らしいピンク色のドリンクは、風邪を引いていなくても飲みたくなってしまいます。

さて、いろいろと紹介しましたが、実は我が家でも今シーズンは、息子からはじまり私、夫と次々と風邪を引いてしまいました(汗)

ここは私の出番と張り切って、温かい薬草入りの足湯とホットドリンクを用意して、身体を温めるホームケアでなんとか乗り切る事ができましたが、自分が倒れてしまうとなかなか家族や自分のケアもしっかりできなくなってしまいます。

まだまだ続く寒い冬を元気に乗り越えるためにも、風邪予防も兼ねてほっこり温まるホットドリンクの「飲む温活習慣」を続けたいと思います。どうぞ皆様もご自愛くださいませ。

*それぞれの効果については、以下のサイトや書籍を参考にしています。
漢方薬のきぐすり.com
「生薬単」原島広至他著 丸善雄松堂
「ひとさじのはちみつ」前田京子著 マガジンハウス
「HERB BIBLE―人気ハーブの効能と使い方がよくわかる本」 アースプランツリサーチオーガニゼーション
「ハーブ&スパイス事典: 心とカラダにやさしい316種」 伊藤進吾監修 誠文堂新光社
*ここで掲載されている内容は民間療法などに基づく個人の知見によるものであり、有効性を保証するものではありません。

「ちよこ」こと、田中千代子さんプロフィール

東京都檜原村在住。男の子2人のお母さんで、夫である田中惣一さんは江戸時代初期から続く林業家の15代目。2012年にFSC森林認証を取得し、森を活かしながら守る“これからの林業”の在り方を模索しています。千代子さんもまた、もともと好きなクラフトや料理に森の恵みを活かす暮らしを実践中。そのヒトコマを季節の「森だより」としてお届けします。

FSC C011851

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