FSCマーク海外レポート

2018.12.7

韓国編 FSCグローバルレポート

「再生紙」を有効活用する韓国。FSCはこれからに期待!

 

産地直送で生の情報をお届けしている「FSC グローバルレポート」。
今回はお隣の国「韓国」からのレポートです。
 

 

今回ご登場いただくのは、ソウル市在住の小山内さんと、京畿道在住の松田さんです。お二人は、それぞれ韓国人のご主人と2人のお子さんを持つお友達同士。在住歴は小山内さんが20年、松田さんも14年と長く、子育ても韓国で経験されてきました。
 
お二人ともエコ意識は高く、小山内さんは、畑で野菜を作ったり、自家製シロップを作ったり、“自家製”を意識することで買い物回数を減らし、家庭ごみの削減に努めているそう。松田さんは、環境マークが入った洗剤を使ったり、麺のゆで汁で食器を洗ったり、ウエスで掃除をしたり。車の買い替えの際は、低公害車両※を購入したそうです。
 
そんなお二人の目に、韓国の現状は、どのように映っているのでしょうか。さっそくレポートしていただきましょう!
 

    ※二酸化炭素など大気汚染物質の排出が少ない車。韓国では、低公害車両に登録されている車の場合、空港や公営駐車場の駐車料金等の割引を受けることができる。

 

小山内さん(左)と松田さん(右)

 

みなさん、こんにちは!韓国在住の小山内と松田です。
今回は、私たちの目からみた、韓国のエコ意識とFSCマークの普及状況をお伝えしますね。

 

●国が法制度を整え、国民のエコ意識を啓発している最中

 

小山内)まず、韓国のスーパーはレジ袋が有料です。エコバッグの持参はもちろん、車で来ている人は、スーパーに置いてある使用済みダンボールに商品を詰めて持ち帰る人も多いですね。それから、先日、昔ながらの伝統的な市場へ行ったら、そこでもレジ袋が廃止されていました。スーパーなど大型店舗だけではなく、小規模なお店にも広がってきているのを感じます。

 
さらに、世界的なプラスチックゴミ削減の流れを受けてか、カフェやファーストフード店内でのプラスチック容器の使用禁止もはじまっています。韓国全体で見ると、今まさに国が法制度を整え、国民のエコ意識を啓発している最中という印象です。
 

小山内さんが普段買い物をしている、サムスングループとイギリスのテスコが共同経営する大型マート「ホームプラス」

 

ただ、個人レベルのエコ意識はと言うと、私の周りでは、もう一歩という感じでしょうか。エコバック、マイボトルの持ち歩きは定着していますし、エアコンよりは扇風機を使用し、冷房を使用する場合でも温度調整を気にしたりと、環境意識が高いようにも見えるのですが、一概に「環境を考えて」という事でもないように思えます。
 
人々の意識の中には、まず第一に「健康」があって、次に「節約」や「お得感」、そしてその次に「環境によい行動」がくる印象です。環境よりも、まずは「食や商品の安心安全」のほうに意識が高い人が多いように感じますね。

 

松田)私の周りでは、比較的エコ意識が高い人が多いように感じています。ただ、ゴミの分別については、しっかり守っている人と、できてきない人に分かれますね。例えば、マンションなどの集合住宅は、ゴミ捨て場に、ゴミの種類別の「リサイクルボックス」が置いてあるので、そこで分別して捨てることができます。しかし、一戸建ての場合は、その地区のゴミ捨て場に「リサイクルボックス」があるとは限らないので、分別は個々人の意識に委ねられます。

 

分別もされずに無造作に捨てられている光景を見かけると、とても残念です。せっかくリサイクルできるように細かく分かれているのだから(韓国では、「プラスチック」と「ビニール類」は別です!)、すべてのゴミ捨て場に、リサイクルボックスが設置され、きちんと分別されることを願います。

 
小山内)そうですね。今韓国は、まさにエコ意識の過渡期にいるという感じです。今の子どもたちが大人になる頃には、もっと日常生活の中に、環境に配慮する意識が定着するといいなと思います。

 

●韓国では、「FSC」よりも「再生紙」が優勢

 

小山内)ここで少し、韓国の「紙状況」についてお伝えしますね。韓国は、古紙の回収・利用率が高く、環境に配慮した紙というとまず「再生紙」が頭に浮かびます。国内の再生紙についている「종이(紙)」というリサイクルマークは小学校でも習うため、国内ではよく知られています。今回FSCマークを探す過程でも、国内のリサイクルマークのほうがよく目につきました。
 

 

このような状況ですから、純粋な韓国企業の製品には、なかなかFSCマークを見つけられず…。でも、海外の企業の製品にも目を向けてみたら、韓国でも見つかりましたよ!
 

 
まずは、アメリカの会社「HUGGIES」の紙オムツ。私(18歳と13歳の娘がいます)が子育てをした時代の韓国では、1歳半くらいからパンツでトイレトレーニングをはじめていました。最近はもう少し遅くなってきているようですが、当時は、2歳になってもオムツをしていると「遅い!」と言われたものです。懐かしいですね~。

 

それから、日本でもおなじみ「Johnson & Johnson」のベビークリーム。皮膚テスト完了、無添加、無香、無着色の体に優しいクリームです。
 
このコーナーにいらした赤ちゃん連れの若夫婦。商品を手に取り、箱の表記をじっくり読みながら、品定めをしていました。韓国は、商品の安全性に気を遣うパパママが多いと思います。
 

 
こちらは、イギリスからの輸入品です。ばっちりFSCマークがついていましたよ。ついつい気になってしまったのは、翻訳された商品情報の中に、韓国内のリサイクルマークがついていたことです(写真右)。これはきっと、このラベルが韓国の再生紙を使っている、ということなんでしょうね。

 
●韓国企業の製品にも、FSCマーク発見!!
 

松田)続いて、私が見つけたFSCマークをご紹介しますね。家の中にあるものから、まるで宝探しのように探していきました。

 

 
まずは、アメリカの会社「NIKE」の紙袋にFSCマークを見つけました。

 

続いて、デンマーク生まれの靴ブランド「エコー」の紙袋にも。
 

それから、「キールズ」の化粧品の箱です。キールズは、米国ニューヨークで創業し、天然由来成分を配合したスキンケア、ボディケア、ヘアケア製品の会社です。
 

さらに、スペインの会社「ドンシモン」の白ぶどうジュースの紙パックにもFSCマークがついていました。

 
探すのに苦労はしませんでしたが、やはり、こうしてみると、海外企業のものが多いですね。でも、韓国企業の製品にも、FSCマークを見つけましたよ!
 

 
こちらは、韓国最初の百貨店である新世界百貨店(韓国)の紙袋です。写真だと見えづらいですが、袋の底に、FSCマークが入っています。
 

そして、韓国大手乳業3社のひとつである「メイル乳業」の紙パック!左は有機牛乳、右は普通牛乳です。どちらにもマークがあります。
 
今回はじめてFSCマークについて知りましたが、韓国の企業の製品にFSCマークを見つけると、うれしくなりますね。
 

松田さんが普段買い物をしている、新世界グループが経営する大型マート「Eマート」

 

●森は身近な存在。FSCについてもっと知ってもらいたい
 
小山内)私が住んでいる地域では、人間が自然と調和できる街づくりを目指しています。森ほど大きくはないものの、自然の姿を残した丘が点在しており、地域住民の散策公園となっています。また、車で30分ほど先にある「漢江(ハンガン。ソウルを流れる川)」を渡れば、木々が生い茂る人気の避暑地があり、私にとって森は身近なものです。
 

小山内さんの住む地域にある自然豊かな公園。冬でも暖かい日は、椅子に座って読書する人や、散策する人の姿がちらほらと見られるそう

 

先日も、松田さんや他の友達を誘って、久しぶりに森へ行きましたが、冬眠の準備でしょうか。何匹かのリスが忙しそうにしていました。また、キツツキが木をつつくような音も遠くに聞こえ、ソウルとは思えない自然空間を堪能してきました。
 

FSCマークは、とてもいいものだと思いますが、あまり知られていないのが残念です。私は今まで、「消費の数を減らして、環境負荷の軽減に役立ちたい」と思ってきましたが、FSCマークを知り、「消費しながら環境保全に貢献する」という考え方に出会うことができました。これからは、商品を選ぶ時などにFSCマークを意識することはもちろん、韓国の身近な人たちと森を散策しながらFSCの話をしたり、スーパーに行った際は、「FSCマーク探し」に誘ってみたいと思っています。
 

松田)私も、幸いにも自然環境に恵まれた地域に住んでいるため、散策や登山、キャンプをして楽しむこともあります。夏の猛暑の際には、毎日のように渓谷へ涼みに行ったものです。
 

ソウルから車で30分ほどの京畿道南楊州市にある、通称“森カフェ”からの風景。自然の中でお茶が楽しめるお二人のお気に入りの場所だそう

 

また、私が生まれ育った北海道は、道産の木を利用した住みよい家や素敵な木工品が多いです。FSCマークは、地域の限りある資源を活かすものづくりのためによい仕組みだと思います。環境保全のためにも、FSCマークが広まっていけばいいな、と思います。

 
【韓国の森林状況】

 

韓国の面積は、971万ha、日本のおよそ1/3弱ほどの面積です。そのうち、63.7%を森林が占めています。世界森林資源評価(FRA)2015によると、韓国の森林率の高さは、OECDに加盟している34カ国の中で、フィンランド(73.1%)、日本(68.5%)、スウェーデン(68.4%)に次ぐ、第4位でした。

※林野庁「森林・林業分野の国際的取組」

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