森の達人・三崎孝平の樹木雑学

2019.2.21

【第12回】屋根まで飛ばそう「ムクロジ」シャボン玉


前回は「石鹸がなる木?」と題して、サイカチについて紹介しました。
最後にムクロジのことにも触れましたが、今回はそのムクロジが主役。ムクロジからつくる手作りシャボン液を三崎孝平さんが伝授します。
久しぶりにシャボン玉を飛ばしてみませんか?

 

シャボン玉
 

ムクロジはお寺ではおなじみの木

ムクロジはムクロジ科の落葉高木で、樹高は20~25m直径は1~2mにもなります。
葉は8~16枚の小葉からなる羽状複葉(うじょうふくよう)で、新潟・茨城以西、四国、九州に分布します。
 

6月頃には枝先に長さ20〜30cmの円錐花序(えんすいかじょ ※)ができ、黄緑色の小さな花を多数つけます。10〜11月に直径2〜3cmの球形の果実が熟します。果実は核果(中心に大きな種が1つ入っているもの)で、果皮は袋状で半透明なあめ色、中には直径約1cm、黒くて硬い核果(種子)が1個入っています。
 

※円錐花序:花序は枝上における花の配列状態のこと。分岐した枝に花がつき、主軸の上方にいくに従って小さくなり、外観が円錐形に見えることから名付けられた。ムクロジ以外に、ナンテンなどがある。
 

ムクロジの葉

ムクロジの葉

 

ムクロジの果実(左:当年 右:2年保存)

ムクロジの果実(左:当年 右:2年保存)

 

ムクロジの木ってどこにあるんだろ、とお思いになるかもしれませんが、実はお寺などで目にしたことがあるかもしれません。「お釈迦様がこの硬い実で数珠を作って広めた」との言い伝えから、お寺にはよく植えられているそうです。
さて、前回の「石鹸の木」では「サイカチ」を紹介しましたが、今回の「ムクロジ」にもサポニン(界面活性作用があります)が含まれており、昔は石鹸として使われていました。現在では自然にやさしいエコ素材の洗剤としてムクロジ洗剤が注目されているようです。
 

そこで、このムクロジの果実を使ってシャボン玉を作ってみました。
 

ムクロジシャボン玉の作り方

1.ムクロジの果実を1個用意します。今回は2年保存の物を使いました。
 

ムクロジの実

ムクロジの果実

 

2.果実を割って、あめ色の「果皮」と黒い「核果(種子)にわけます。容器は乳酸飲料の空容器を使いました。
 

核果と果皮

核果と果皮

 

3.果皮を容器に入れ、容器の1/3くらい水を入れます。
 

4.容器の口をふさいで数回強く振ってください。
 

5.泡が立ってきたらできあがりです。
 

6.吹き棒は細い方が良いです。今回は稲わらを使いました。
 

シャボン液

シャボン液

 

7.すぐに遊べますが、2~3日置いておくと大きなシャボン玉ができるようになります。
 

飛ばしてみましょう!

飛ばしてみましょう!

 

「羽根つき」の羽根の黒い玉もムクロジ

ムクロジの果実は石鹸以外にもこんなところに使われています。
最近は年末の「羽子板市」でしか見られなくなりましたが、昔のお正月の遊びの一つに「羽根つき」があります。この「羽根つき」に使われる「羽根」の頭の黒い物が「ムクロジの核果(種子)」です。
 

羽根つき

「羽根つき」の羽根

 

この羽根の形が、病気を運ぶ蚊や害虫を食べるトンボに似ているので、子供が蚊や害虫に刺されて伝染病にかからないように、という厄除けの意味が込められていると言われています。
ムクロジの種を、正方形に切ったレジ袋やラップで、てるてる坊主を作るように包んで輪ゴムで止めるだけで、簡単に羽根を作ることができます。バドミントンのラケットで打ってみたら、現代版「羽根つき」になるかも。
ちなみにムクロジは漢字で「無患子」と書きます。
これは、【無➞無い、患➞患う(わずらう)、子➞子供】つまり【子供が病気にならない】という思いが込められているようです。
 

<「森の達人」こと、三崎孝平さんプロフィール>
環境保全に貢献するという目的で設立されたエコシステムアカデミーのシニアインストラクターや全国森林インストラクター会会員として活躍中。日本各地の学校や森を飛びまわり、森の大切さや、FSC森林認証について伝えています。このコーナーでは、森や自然がますます身近になる楽しい情報を「樹木講座」としてお届けしています。

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