森の達人・三崎孝平の樹木雑学

2018.2.13

【第4回】松の葉

冬の間、ほとんどの樹木は葉を落としてしまいます。彩りが少なく寂しい雰囲気になりがちな風景の中で常緑樹である松の緑はよく映えます。今回はそんな松の葉の話です。

 

地面に落ちている松の葉は「落ち葉」ではなく「落ち枝」?


私の活動フィールドの一つであるエコシステムアカデミー(福島県西郷村)の活動フィールドである「村火」造林地では、昭和40年代に植えられた「アカマツ」が造林地の約90%を占めています。
 
アカマツは樹皮が赤いことから「アカマツ」と呼ばれています。北海道南部から屋久島まで日本国内に広く分布し、痩せ地にも耐え、乾燥した尾根から湿地にも生育します。潮風に強いことから海岸沿いに分布する「クロマツ」と共に日本を代表する「松」です。
 

  • 身近に生育している松の葉をよく観察してみると、二つの細長い葉がつけ根で合わさってV字型になっています。二つの葉が束ねられているようにも見えますが、束ねたように見える茶色の部分は短枝(たんし)というものです。ですから短枝に束ねられているマツの葉は、1本ずつ別々の葉なのです。このような葉をつけるマツを「二葉松」といい、アカマツやクロマツなどのように身近な場所で見られます。
     
    また三本の葉が合わさったのは「三葉松」。葉の長さが60㎝にもなる「大王松(ダイオウショウ)」や北米に分布する「リギダマツ」などがあります。
     
    さらに五本の細長い葉が合わさっているものもあります。なんと呼ぶかは…お気づきですね(^^)「五葉松」といいます。ヒメコマツ・ハイマツ・チョウセンゴヨウなどがそうです。ちなみに盆栽などで育てられている「五葉松」のほとんどはヒメコマツです。

     
    短枝で束ねられている状態を「束生」と言います。マツの葉が落ちる時、この短枝も一緒に落ちるので、地面にあるマツの葉は、じつは「落ち葉」ではなく「落ち枝」と呼ぶのが適当かも知れません。
     
    また、マツの葉は表と裏が一見するだけでは区別できないので「等面葉」とよばれます。それではどのように特定するかというと、葉の断面を顕微鏡で観察し、内部構造を見るといった少々面倒な作業が必要です。
     

    断面にすると松の種類によって形状に違いが出ます。二葉松の葉の断面は半円、三葉松の断面は中心角120°です。そして、五葉松の針葉の断面は中心角72°の扇形になっています。つまり、1セットを構成する全ての針葉をぴったり隙間なく合わせると必ず全円になるのがこれらのマツの特徴です。

     
    <「森の達人」こと、三崎孝平さんプロフィール>
    環境保全に貢献するという目的で設立されたエコシステムアカデミー(http://ecosystemacademy.jp/)のシニアインストラクターや全国森林インストラクター会会員として活躍中。森の大切さを伝えるため、日本各地の学校や森を飛びまわっています。森や自然がますます身近になる楽しい情報を「樹木講座」としてお届けします。

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