FSCの森・木を活かす人

2018.11.13

株式会社ワイス・ワイス

日本で一番環境に優しい家具メーカーへ 

みなさんは、今お使いの家具が、どこの国の、どんな森で採れた木でできているかを考えたことがありますか?「ひょっとしたら、違法伐採された木で作られているかもしれない…」そんな可能性を考えたことがあるでしょうか?

およそ10年前、そんな疑問を持ち、産地や流通過程に問題のない木材のみを使用した家具づくりへと大きく方向転換した家具メーカーがあります。

今回は、2013年にフェアウッド100%を達成し、2017年FSC認証を取得した株式会社ワイス・ワイスの取り組みを、代表取締役社長 佐藤岳利さんに伺いました。

株式会社ワイス・ワイス 代表取締役社長 佐藤岳利さん


 

海外で受けた衝撃が、環境に対する意識を変えるきっかけに

100%合法性が証明できる木材のみを使い、森林環境に配慮した家具作りを行っているワイス・ワイス。とりわけ国産材の活用に力を入れており、2018年現在、国産材の使用比率は80%まで進んでいます。そんなワイス・ワイスも、1996年の創業から10年ほどは、デザインは気にしても、木の産地まで意識することはなかったそう。

「創業してしばらくは、会社を経営していくことで頭がいっぱいで、『トレーサビリティ』(流通過程を明らかにすること)や『デューデリジェンス』(使われている木材が違法ではないかを調査・確認すること)といった言葉を意識したことがありませんでした。でも、2005年に耐震偽装問題が世間を騒がせると、住宅の着工件数が急激に鈍化してしまい、弊社も泥沼の価格競争に巻き込まれ、より安さを求めて海外の工場で製造するようになったんです」

そこで、佐藤さんは、これまでの意識を変える衝撃的な光景を目にします。

「ある海外の工場を訪れた時のことです。直径1メートル近くもありそうな大きな木が、トラックに積まれて工場に入って行ったと思ったら、もう一方の出口から、完成した家具を積んだコンテナがどんどん出てくるんです。こんなにも大量生産できるほどの木は、果たしてどこから来ているんだろうと、この時はじめて疑問に思いました」


そんな気づきを得た佐藤さんは、帰国後、仕事終わりに夜な夜な環境系のセミナーに参加し、勉強をはじめます。

「ひょっとしたら自分はこれまで、『違法伐採に加担しながら、家具を作ってきたのではないか…』と思ったら、ものすごくショックを受けました。この頃、ちょうど娘が生まれたことも重なって、安いかも知れないけれど、誰からも喜ばれない家具を作るよりも、日本で一番環境に優しくて、未来の子どもたちに喜ばれる、未来に貢献できる家具メーカーになりたいと、強く思いました」
 

いざデューデリスタート。グリーンカンパニーへ踏み出す

こうしてワイス・ワイスは、2008年より伐採地の森林環境や地域社会に配慮した木材(フェアウッド)を使った家具づくりに大きく舵を切ることになります。

国際環境NGOの「FoE Japan」の協力を得て、全商品のトレース管理をスタート。納品伝票などの書類を見ながら、何十、何百と出てくる国と地域を、ひとつひとつ確認していったと言います。

「コツコツと取り組みを進めていき、実に4年の月日をかけて、2013年に、フェアウッド100%を宣言しました」

 

日本の森が抱える問題に目を向け、森を循環させる家具づくりを

時期を同じくして、佐藤さんには考えていたことがありました。国産材への切り替えです。

「デューデリを進める中で、最初は北米産への切り替えを検討していたのですが、日本中に活かされていない森があるということを知り、だったら国産材に切り替えてはどうかと思ったんです。そこで、日本の森林の状況を把握するため、FoE Japanさんの案内で、日本の森巡りをはじめました」

最初に入ったのは、岩手県岩泉町にあるFSCの森だったそう。リーマンショックのあった2008年のことでした。

「当時、岩泉町のFSCの森の木は、100%チップになっていました。せっかく太くて立派な木があるのに、家具などの木材として活かされていないことにもったいなさを感じたんです。話を聞くと、太くてチップを作る機械に入らず弾かれてしまった木は原木市場に出されているということがわかりました。そこで、この弾かれてしまった木をワイス・ワイスが買い取り、家具にすればいいんじゃないかと考えたんです」

  • 岩泉町のFSCの森の視察の様子

  • チップ工場

  •  

    しかし、日本の林業地は外材に押され、伐った木を国産材として家具に加工できるように製材する流通ルートがすでに絶たれていたと言います。森の木を使いたくてもすぐに使うことができないという状況の中、日本中を巡り、ネットワークをつなげていった佐藤さん。こうして、これまで活かされてこなかった日本の森の木をワイス・ワイスが使うことで森の循環を生み、日本の森を元気にする「森をつくる家具」づくりがスタートしました。


     

     

    環境問題をもっと日本に知らしめたい

    社長である佐藤さんが海外で受けた衝撃をきっかけに、フェアウッド100%への切り替え、国産材の活用と、環境に配慮した家具作りの道を歩んできたワイス・ワイス。2017年には、ついにFSC認証を取得します。
     
    「岩手県岩泉町や宮崎県諸塚村など、FSC認証を取得している林業地と仕事をすることが徐々に増えてきました。そこで、自分たちもFSC認証を取得することで、商品をFSC認証商品として世に出せるのではないかと思うようになったんです。また、世間でもようやくサステナブル調達といった言葉も聞くようになり、取るなら今だ!と、取得に踏み切りました」
     
    そして2018年に、FSC認証商品第一弾として、村をあげてFSC認証を取得している宮崎県諸塚村のクヌギの木を使った「ニューモロツカ」を発表。2019年の秋には第二弾、さらに第三弾まですでに計画が上がってきているそう。
     
    ▼宮崎県諸塚村との交流・新商品「ニューモロツカ」についてはこちらから▼
    「大きくなりすぎたFSCの「しいたけ原木」を、家具へと生まれ変わらせる」
     


     
    「FSC認証をいざ取得してみると、ヨーロッパに比べて日本のFSCの認知度が低いことに、まるで日本が劣っているかのような寂しさを覚えます。私たちが動くことで、もっともっとFSCについて知ってもらい、違法伐採などから森を守る方法があるということを世の中に知らしめていきたいですね」
     
    今回の取材を通し、現在のワイス・ワイスの家具には、環境問題に向きあう強い思いとストーリーがあることを知りました。値段やデザインだけではなく、その木がどこから来たのかまで気にして商品を選ぶことで、私たちも間接的に環境問題の解決に貢献することができます。その指標のひとつとなるのが「FSCマーク」です。みなさんもぜひ、FSCマーク製品に注目してくださいね!

     
     
    株式会社ワイス・ワイス
    東京都渋谷区神宮前5-12-7
    http://wisewise.com/

    記事が気に入ったら友達にシェアしよう!

Recomment post Recomment post おすすめ記事

Recomment post おすすめ記事