FSCについて

2019.10.23

公益財団法人 ボーイスカウト日本連盟

目指せ「フォレストガーディアン」!子ども向け体験プログラムで森を守る意識を育む
 

©ボーイスカウト日本連盟

大自然を学びの場とするボーイスカウトの活動のなかに、FSCジャパンとのタイアップによる森林プログラムがあります。FSCマークを通じて森林について学ぶことで、森の守護者を意味する「フォレストガーディアン」という称号とバッジがもらえる、というものです。プログラムが作られた経緯やねらい、実際の取り組みの様子など、ボーイスカウト日本連盟の山田哲司さんと渋谷健太郎さんにお話を伺いました。

 

社会連携・広報部 山田 哲司さん(左)
多様な企業・団体との連携による新規企画の立ち上げを推進している山田さんは、4歳・2歳のお子さんをもつパパ。「子どもたちが小学生になったら、ぜひボーイスカウトに入団して本格的な自然の中でさまざまな体験をしてほしいですね」
 
教育開発部 渋谷 健太郎さん(右)
ボーイスカウト隊員が取り組む教育プログラムの開発を担当。小学生の頃、ボーイスカウトに入団、活動してきた経験を活かし、休日は地元でボーイスカウトのボランティア指導者としても活躍しています。「自分なら現場でこう使うという実践シーンを思い浮かべながら、プログラム開発にあたっています」
 

国内では約10万人がボーイスカウトで活動

キャンプやハイキング、街角募金など、ユニフォーム姿で活動するボーイスカウトの子どもたちを見掛けたことがあるという人も多いのでは? そもそもボーイスカウトとはどのような団体なのでしょうか。
 
「ボーイスカウトは、『Creating Better World』(より良き世界をつくる)をビジョンに掲げ、健やかな子どもを育成する世界的な運動です。1907年にイギリスで発祥し、現在では170の国・地域に広がりました。日本には1908年に伝わり、現在は全国に約2000団あり、約10万人が活動しています。ボーイスカウト日本連盟は教育プログラムの開発や指導者の研修などを行いますが、全国各地の拠点の自主性と独自性を重んじ、地域に根差した活動が基盤となっています」(山田さん)

1つの団には、小学1年生から中高大学生、指導する大人も含めて幅広い年代が所属。年齢層に応じて、ビーバースカウト、カブスカウト、ボーイスカウト、ベンチャースカウト、ローバースカウトという5つの部門があり、各発達段階に合わせた活動が行われているといいます。

 

児童向け森林プログラムをFSCジャパンと共同開発

FSCジャパンとのコラボレーションによる「フォレストガーディアン」は、5つの部門のうち小学3~5年生のカブスカウトを対象としたプログラムです。
 
これは、規定の課目を修めるとバッジがもらえるという、ボーイスカウト特有の制度を利用したもの。カブスカウトが自分の興味・関心に応じてチャレンジできるものは、「キャンパー」「乗り物博士」「料理家」など既存40種類のバッジがあります。これに2018年度より新たに加わったのが、企業・団体とのコラボレーションによる期間限定・数量限定の「フォレストガーディアン」です。
 
FSCジャパンと共同でプログラム開発にあたった山田さんは、「FSCマークをきっかけとして森に生きる動植物のことや森の大切さを知ってほしい」と活動のねらいを語ります。

ミッションクリアで「フォレストガーディアン」のバッジがもらえる

プログラムの流れは次のとおり。まず、取り組みたい団 はボーイスカウト日本連盟に申し込み、ワークブック・指導者用手引き・バッジの3点セットを使って、4つのミッションに取り組みます。
1.森と生活がどのようにつながっているか考える
2.森を守るために個人、みんなでできることを考える
3.日常の中でFSCマークを3つ見つける
4.森を守るために自分たちができることを家族や友達に伝える

「フォレストガーディアン」プログラムに申し込むと届く3点セット。

子どもたちは、ワークブックにあるクイズに取り組みながら、木からどんな製品が作られるか、紙製品や木製品を使うことは森にどんな影響があるのか、などを話し合います。また、スーパーでFSCマークの製品を探したり、森に出掛けて木や生き物を観察したりといった体験も交えて、森の大切さや森を守る方法を学んでいきます。

  • 写真FSCマークを探しにみんなでスーパーへ。©ボーイスカウト日本連盟
  • 写真実際に森の中を歩き、五感を通して学ぶことも。©ボーイスカウト日本連盟
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    そうして4つのミッションをすべてクリアしたら、「フォレストガーディアン宣言」として「森と仲良くなる」「森でゴミひろいをして小さな芽を大切にする」「森を守るためFSCのものを買う」など自分が頑張っていきたいことをワークブックに記入。これをもって指導者から「フォレストガーディアン」として認定され、バッジをもらうことができます。

    腕に「フォレストガーディアン」のバッジを付け、誇らしげな子どもたち。©ボーイスカウト日本連盟

    ボーイスカウト以外の子どももプログラムに取り組める!

    見事「フォレストガーディアン」となった子どもたちの感想コメントを見ると、
    ・「教科書にFSCマークがあるのを知っていて、その意味がわかってうれしかった」
    ・「森の資源は限られていて、大切にするべきだと実感した」
    ・「森を守ることは、そこにいる生き物ばかりではなく、人間の生活も守ることになるんだと思った」
    など、活動からさまざまな発見や学びがあったことがわかります。
     
    「我々がプログラム設計や実践をする上で大切にしていることに、『スカウティングはゲームであれ』という言葉があります。授業のように『今日はこれを学びます』といって学ぶのではなく、自然のなかで楽しく遊びながら体験するうちにいつの間にか学んでいる…そういう仕組み、きっかけ作りを心掛けています」(渋谷さん)

    写真

    このように有意義なプログラムですが、実は、ボーイスカウトの加盟員以外も実施することが可能です。
     
    「バッジはボーイスカウト特有のものですが、教材は広く使っていただきたいと思っています。ワークブックと指導者用手引きは残部があれば誰にでも配布できますし、当連盟のwebサイトからPDFのダウンロードも可能です。地域の子ども会やPTA、学童などで取り組みたい場合は、ぜひご活用ください」(山田さん)

     

    多彩なプログラムで、より良き世界をつくる人材を育成

    ボーイスカウトのFSC関連企画は、この「フォレストガーディアン」だけではありません。
     
    2016年度にはFSCジャパンとWWFジャパンの協力により、FSC認証について知ることができる『森となかよし』という紙芝居が制作されました。
     
    「子どもがFSCの森でキャンプをしているとクマやウサギが出てきてFSCについて教えてくれる、というストーリーで、小さな子にもわかりやすい内容です。子どもたちが自ら志願して読み手に回ることも多く、各団でとても好評だったと聞いています」(渋谷さん)

    FSC認証の森を舞台にした紙芝居「森となかよし」。

    また、2019年度は、さまざまなツールを開発・製作している、地球温暖化防止全国ネットが制作したプログラムを活用し、FSCマークのほか、エコマークや省エネ性マーク、各種リサイクルマークなど24種類の環境マークについて知ることができるプログラムとして冊子とポスターを制作、全国でプログラム実施を希望する団に配布しました。これもFSCジャパンをはじめとするさまざまな団体や省庁との連携による取り組みです。
     
    「全国の活動拠点ではまさにこれから活用を始めるところ。スーパーでマークを探したり、資源回収の現場を見に行ったりと、体験を交えながらマークの意味や環境の大切さを学ぶ活動を展開していくことを想定していますが、自由な発想でこのプログラムを楽しんでほしいです」(渋谷さん)

    写真さまざまな環境マークが一覧になったポスター。

    ボーイスカウト日本連盟では、今後もFSCジャパンを含めたさまざまな団体と積極的にコラボレーションしていく方向だといいます。
     
    「海洋汚染や地球温暖化など環境問題はさまざまですが、森を守ることは小さな子どもにもわかりやすいテーマ。ボーイスカウトのビジョンである『より良き世界をつくる』に向けて、子どもたちが具体的なアクションを起こしていけるよう、今後もさまざまな連携に取り組んでいきたいですね」(山田さん)
     
    未来をつくっていくのは子ども世代。このように楽しく活動しながら、多くの子どもたちの中に森を大切にする意識と態度が育まれるといいですね。

     
     
     
    公益財団法人 ボーイスカウト日本連盟
    東京都杉並区下井草4-4-3
    https://www.scout.or.jp/

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