FSCマークイベント

2018.10.5

オリンピック・パラリンピックとFSC~オリンピック・パラリンピック東京大会2020では


2020年の東京オリンピック・パラリンピックまで2年を切りました。建設中の新国立競技場も外観がわかるほど建設が進み、大会日程、チケット料金の案内、ボランティア募集など着々と準備が進んでいます。
 
近年のオリンピック・パラリンピックでは、スポーツの祭典というだけでなく「環境保全」に配慮することも大切な理念の一つになっているそうです。それではFSC認証製品は、オリンピック・パラリンピックではどのように使われ、また2020年の東京大会ではどうなるのでしょうか。2012年のロンドン大会、2016年のリオデジャネイロ大会で使用されたFSC認証製品の事例を取り上げ、今年6月に発表された東京大会2020における「持続可能性に配慮した紙の調達基準」および「持続可能性に配慮した木材の調達基準」についてご紹介します。

 

【ロンドン大会】ロンドン・オリンピックパークで使用された木材の2/3がFSC認証

オリンピック・パラリンピックは世界的な祭典。開催のために競技場や関連施設が開発・新設され、さらに期間中は出場選手、関係者、それを上回る来場者など多くの人が訪れます。そのため期間中に消費される紙類や飲食物など、大会規模が大きくなるにつれ問題も大きくなってきました。その中で、2012年に開催されたロンドン大会は「最も持続可能なオリンピック・パラリンピック大会」として、徹底した環境配慮を実施し、成功を収めました。
 
ロンドン・オリンピックパークで使用された木材約12,500立方メートルの2/3以上、また選手村で使用された木材の98%以上がFSC認証のものです。
 
そのほか、チケットやプログラムなどの紙製品にFSC認証紙が採用されています。

ロンドンオリンピックのメイン会場 オリンピック・スタジアム

【リオデジャネイロ大会】表彰台など会場内のさまざまな木材製品やチケットなどに採用

2016年のリオデジャネイロ大会はまだまだ記憶に新しいところですね。この大会に向けて200を超える組織の多くがFSC認証を取得するなどロンドン大会に続き、徹底的に環境に配慮した大会となりました。
 
750万枚の大会チケットやメダリストに渡されるメダル証明書、オリンピアン・パラリンピアンに渡される参加証書など多くの紙製品にFSC認証紙を採用。
 
木材製品では、自転車競技場のトラック、メダルを収める木製メダルケース、185台の表彰台、車椅子用の木製スローブなどにFSC認証木材が採用されています。
 

リオデジャネイロ大会表彰台


 
また聖火ランナーとして FSC認証関連の仕事が評価された7名が聖火ランナーに選ばれたそうです。
 
リオデジャネイロ大会で採用されたFSC認証製品については、FSCジャパンのホームページでも紹介されています。
https://jp.fsc.org/jp-jp/news/id/305

 

「東京大会2020」ではどうなるか?

東京大会でも、ロンドン大会やリオデジャネイロ大会と同じく環境に配慮した大会を目指しています。
 

公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会総務局持続可能性部持続可能性事業課長 日比野佑亮氏


 
7月に開催されたFSCジャパンカンファレンスでは公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会持続可能性部持続可能性事業課長 日比野佑亮氏により、今年6月に発表されたばかりの「持続可能性に配慮した紙の調達基準」について発表がありました。
 
東京大会2020では大会での持続可能性コンセプトとして「Be better, together より良い未来へ、ともに進もう」をスローガンに、「気候変動」「資源管理」「大気・水・緑・生物多様性等」「人権・労働、公正な事業慣行等への配慮」「参加・協働、情報発信」を掲げています。
 
ロンドン大会やリオデジャネイロ大会と異なるのは、この間に国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)が掲げられたことが挙げられるでしょう。東京大会2020においても、大会を通じてSDGsへの貢献に力を入れているようです。
 
持続可能性に配慮した紙の調達基準では、
・古紙パルプを最大限利用
・バージンパルプについては、①合法性、②森林管理の計画性、③生態系保全、④先住民族の権利尊重、⑤労働安全のこれら①~⑤が確認されたものを使用

・白色度や塗工量が過度でないこと、紙への再生利用を困難にする加工のされていないもの
 
としています。
 
特に2つ目の基準において、FSC認証紙はこれらの条件を満たすものとして採用するとしています。
 
対象となる紙製品は、ポスター、チラシ、チケットや賞状など直接大会に関係するもののほか、飲食ではペーパーナプキンや紙コップ、トイレットペーパーなど生活消耗品にいたるまで多岐にわたります。発表では「適切に管理された資源を東京大会2020でも使用することで、大会後においても普及・啓発の一助になりたい」として、東京大会後も視野に入れた目標についても触れられていました。
 
一方、木材については、紙の調達基準と同じく6月に「持続可能性に配慮した木材の調達基準」が発表されました。対象となるのは、建設材料として使用する製材、集成材、直交集成板、合板、単板積層材、フローリング、建設に用いられるコンクリート型枠合板、家具に使用する木材(製材端材・建設廃材等を再利用するものを除く)です。
これらについて、持続可能性の観点から以下の①~⑤が特に重要としています。
 
①伐採に当たって、原木の生産された国又は地域における森林に関する法令等に照らして手続きが適切になされたものであること
②中長期的な計画又は方針に基づき管理経営されている森林に由来すること
③伐採に当たって、生態系の保全に配慮されていること
④伐採に当たって、先住民族や地域住民の権利に配慮されていること
⑤伐採に従事する労働者の安全対策が適切に取られていること
 
以上の条件を満たす木材として、FSC認証材は適合度が高いものとして原則認める旨が記載されています。
 
ロンドン大会からリオデジャネイロ大会へと引き継がれた「環境への適切な配慮」という新たな精神が、東京大会2020からさらに次の大会へと引き継がれていって欲しいと思います。

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