FSCマークイベント

2018.9.27

日々の暮らしで「選ぶこと」が森を守ることに! FSC認証材の調達を宣言した7社の森を守る取り組みとは?

皆さんはお気づきでしょうか。日用品や飲み物のパッケージ、ノートやコピー用紙など、様々なところにFSCマークが増えてきています。それを改めて実感させたのが、2018年7月2日に開催されたFSCジャパンが主催するプレスカンファレンス「ポスト2020持続可能な森林資源の調達」でした。持続可能な社会の実現に取り組む企業7社が「FSC認証材の調達宣言2020」を発表し、2020年に向けた持続可能な調達への意思を示しました。その内容をダイジェストでご紹介すると共に、過去にご紹介した取り組みについて振り返ります。

 


 

FSCジャパンプレスカンファレンス「ポスト2020持続可能な森林資源の調達」より

誰もが知っているあの企業もFSC認証を採用

「FSC認証材の調達宣言2020」を発表したのは、イオン、イケア・ジャパン、花王、キリン、スターバックス コーヒー ジャパン、日本生活協同組合連合会、日本マクドナルドホールディングス。ほとんどが当サイトの「製品ものがたり」にご登場いただいた企業ばかり!
 


 

報道関係者はじめ各界から参加者が多数。立ち見が出るほど。

 
今回の共同宣言には、FSC認証の森林資源および紙素材の調達について2020年までの具体的な目標を掲げること、そして2030年までに、SDGs(持続可能な開発目標)に掲げられた「ゴール12:つくる責任つかう責任」と「ゴール15:陸の豊かさも守ろう」を達成することを目指し、消費者にもFSCマークの付いた製品を選ぶことの重要性を伝えていくことなどが盛り込まれています。
 
宣言した企業はいずれも誰もが知る大手企業で、業界におけるインパクトは絶大。宣言によって、様々な商品およびパッケージ、ダンボールなどのFSC認証材採用がさらに進むことになるでしょう。具体的にはどのような宣言と目標がなされたのか、それぞれ紹介します。
 
 

消費者に最も身近な小売の立場から「森の大切さ」を訴求
【イオン】

小売業界ではいち早く循環可能な原料調達に取り組んできたイオン。FSC認証についても、ノートやキッチンペーパーなど、プライベートブランドへの採用を積極的に行い、FSCを含めた認証原料の100%使用を目指しています。執行役として環境や社会貢献などを担当する三宅香氏は「様々なステークホルダーにコミットしてもらうことが大切と考え、2020年に向けた目標を定めました」とその意図について語ります。
 
様々な人に知ってもらい、広げてもらいたいという思いは、2017年度に約750万冊を売り上げたというPV商品のノートや、店内で開催された「FSCマークを探せイベント」などにも伺えます。他にもイオン傘下のコンビニ「ミニストップ」の251店舗にもFSC認証材を用いるなど、紙製品に限らず多面的な調達に対する積極的な姿勢を貫いていくことが示されました。
 

  • イオン株式会社 執行役 環境・社会貢献・PR・IR担当 三宅 香 氏
  • イオン商品

 

イオン株式会社 執行役 環境・社会貢献・PR・IR担当 三宅 香 氏

★FSC応援プロジェクト『製品ものがたり』では…
施設併設の保育園での園児用家具にもFSC認証材が使われていました!>詳しくはこちら
 
 
 

家具の原材料である木材を「持続可能な調達先から」100%に!
【イケア】

北欧のスウェーデンに本社を持つ家具ブランド「イケア」は、積極的に環境保全に取り組む企業としても知られています。その背景にあるのは、家具をつくる企業として「より快適な生活をより多くの人に」提供したいという思い。特に木材は家具の原料として最も重要な資源であり、森を大切にすることは同社自身の事業継続性にもつながります。そこで本イベントで宣言したのは、あらゆる活動を通じて森に良い影響を与える「森林ポジティブ」というスタンス。
 
具体的には、現在82%を超える家具の原料となる認証材率を2020年には100%へと引き上げ、2002年よりWWFと連携して拡大させてきたFSC認証林を3500万haから5000万haと拡大させるといいます。既に世界52ヶ国で2億万部以上も発行しているカタログにはすべてFSC認証紙が使われていますが、あえて商品である家具に認証マークを入れない理由として、同社役員 サステナビリティマネジャーのマティ絵莉氏が語った「当たり前のことにしたい」という言葉にイケアの本気が感じられました。
 

 

イケア・ジャパン株式会社 役員 サステナビリティマネジャー マティ 絵莉氏

 
 

持続可能資材は当たり前。認証原料の比率をさらに高める
【花王】

年間約30万t(2017年)にもおよぶ紙・パルプを使用している花王。2013年5月よりFSC森林認証紙を初めて使用し、その後も着実にその割合を増やし、現在の原材料のトレーサビリティは99.9%、FSC認証紙44%を含めた認証紙は80%までになりました。カンファレンスでは、さらに2020年までに製品に使用する紙・パルプ、包装材料および事務用紙について再生紙、または持続可能性に配慮したもの“のみ”を購入することを宣言しました。
 
その一方で国際環境NGOの脱退問題やラベル表示の課題などもあげ、推進していく上での要望もしっかりと主張。「当初は封筒や社内用紙からスタートし、社内外の認知度を上げていった。調達がかなうようになったいま、改めて外へのFSCの価値の訴求が大切」と語る同社執行役員 購買部門統括の田中秀輝氏からは、日本のFSC利用を牽引してきた花王のプライドが伺えました。
 

  • 花王株式会社 執行役員 購買部門統括 田中秀輝氏

 

花王株式会社 執行役員 購買部門統括 田中秀輝氏

★FSC応援プロジェクト『製品ものがたり』では…
2013年5月よりFSC認証紙を採用。第一号はあの商品!>詳しくはこちら
 
 
 

FSCマークを付けるだけでなく外へのアピールで製品価値も上げる
【キリン】

「トロピカーナ」や「一番搾り」など、飲料メーカーとして数々のナショナルブランドを擁するキリンもまた、事業継続性の観点から容器の中も外もそれぞれ持続可能な調達のための取り組みを進めています。特に容器包装に関しては軽量化や植物性樹脂の使用検討・拡大などに加え、2020年までに特殊なものを除いた紙についてFSC認証紙または再生紙に置き換えるという宣言をしました。
 
キリン株式会社取締役常務執行役員 CSV戦略担当の溝内良輔氏は、「FSCの認知率が高まることが、商品の価値を高め、購買意欲を高めることになることを期待し、漫然とマークをつけるのではなく、メッセージ性を持って訴求していきたい」と積極的なアピールの重要性についても強調しました。
 

  • キリン株式会社 取締役 常務執行役員 CSV戦略担当 溝内良輔氏

 

キリン株式会社 取締役 常務執行役員 CSV戦略担当 溝内良輔氏

★FSC応援プロジェクト『製品ものがたり』では…
パッケージのFSCマークに込められた想いを伺ってきました。>詳しくはこちら
 
 
 

調達もリサイクルも。従業員全員で「森の大切さ」を伝えていく
【スターバックスコーヒー】

コーヒーや紅茶、パームオイル、そして紙と環境保全に配慮した持続可能な調達活動を推進しているスターバックスコーヒー・ジャパン。2020年までにペーパーカップやスリーブなどに使われる紙をFSC認証紙や再生紙に置き換えるという宣言をしました。
 
しかし、同社マーケティング本部長の大嶋バニッサ氏は「最も重要なことは、店舗のスタッフなど事業に関わる全員が、FSC認証について理解し、自分の言葉で語り、行動すること」と語ります。そのために顧客には見えない、従業員が使う牛乳の紙パックなどにもFSC認証紙を使用し、店内ではマグカップを使う、タンブラーを進める、FSC認証紙をさらにリサイクルするなどの「紙を減らす」取り組みも行われています。「エシカルな調達による紙でコーヒーを提供できることが誇りになる」と語る大嶋氏の言葉が印象的でした。
 

  • スターバックス コーヒー ジャパン株式会社 マーケティング本部長 大嶋バニッサ氏

 

スターバックス コーヒー ジャパン株式会社 マーケティング本部長 大嶋バニッサ氏

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FSC認証の木材を使った店舗や従業員研修まで多面的な取り組みも!>詳しくはこちら
 
 
 

認証原料・再生紙活用率をあげ、組合員へのメッセージを強化
【日本生活協同組合連合会】

減農薬栽培の野菜や添加物を排除した加工品など、組合員の生活を支える生協商品の開発を行なう日本生活協同組合連合会。2020年度中にCO・OP商品全体に使用する紙の90%を再生原料またはFSC認証に切り替えることを宣言しました。2015年よりFSC認証紙を採用し、その額は2017年には140億円に到達。なかでもダンボールのFSCの置き換えについては1年で24.7%にもなり、2020年には50%を目指しています。
 
日本生活協同組合連合会 常務理事の藤井喜継氏は「さらに利用を広げるためには組合員の認知・理解を深めていくことが不可欠」と語り、パッケージの工夫、イベントおよびパンフレットでの訴求など、多面的な組合員への働きかけを行なっていることを紹介しました。そして、「未来のためのエシカル消費の1つとして、FSCを組合員とともに学びながら広げていきたい」と語りました。
 

  • 日本生活協同組合連合会 常務理事 藤井喜継氏

 

日本生活協同組合連合会 常務理事 藤井喜継氏

★FSC応援プロジェクト『製品ものがたり』では…
独自の環境基準から外部基準に移行した経緯もご紹介しています。>詳しくはこちら
 
 
 

まずは容器包装やトレーマットから。スケールを活かして社会に貢献
【マクドナルド】

世界で120カ国、約37000店舗を展開するマクドナルド。そのスケールメリットを社会のために役立てようと「Scale For Good」の掛け声のもと、持続可能性に配慮した調達に関する取り組みをはじめています。日本マクドナルドホールディングスでも、現在使用している紙製容器や包装類について2020年までに100%のFSC認証原料の移行を目指すと宣言しました。
 
直近では順次全国2900店舗でトレーマットや容器包装類にFSCマークが付き、さらに公式Facebookの約7700万人のフォロワーや公式アプリ約4500万人もの会員にむけてもダイレクトに発信していくといいます。日本マクドナルドホールディングス株式会社 取締役 執行役員の宮下建治氏は「さらにより多くのステークホルダーに対してFSCの重要性を訴求するべく、フランチャイジー、サプライヤー、社員という3本柱のパートナーシップに加え、様々な方々の協力を得ながら実現させていきたい」と語りました。
 

  • 日本生活協同組合連合会 常務理事 藤井喜継氏

 

日本マクドナルドホールディングス株式会社 取締役執行役員 宮下建治氏

★FSC応援プロジェクト『製品ものがたり』では…
大きな企業ゆえの取り組みの難しさと導入の経緯を紹介しています。>詳しくはこちら
 
 
 

製品やパッケージ、お店、スタッフなどが、日々の生活の中で「森の大切さ」を伝えていく

各社とも全国的に展開する大きな企業であり、影響が大きいだけでなく、日々の暮らしの中で触れることの多い商品ばかり。いずれも自社製品をメディアとしても活用し、FSC認証についての認知を高めていこうという意欲が見受けられました。そして、そのメッセージを受け取る私たちも、そうした商品が森の恵みによって支えられていることを認識し、「選ぶこと」によって意思表示をすることが大切です。
 

未来を選ぶのは、消費者である私たち。その意識のもと、買い物をする際には「FSCマーク」が重要な手がかりになります。ぜひ、日々の生活の中でちょっとだけ意識して探してみてくださいね。
 

★その他、FSCマークのついた製品についての物語を紹介しています。
FSC製品ものがたり>一覧はこちら
 

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