FSCマークイベント

2015.5.14

【レポート】FSC応援プロジェクト・出張セミナー

 

森を活用して守る方法を一緒に考えたい

 

『紙の環境を考えよう&紙漉き体験』at 三鷹市生涯学習市民大学

  

FSC応援プロジェクトでは、協力企業との連携のもと、森について学んでいただくために出張セミナーを行っています。(※ご興味のある方は、右バナーの「お問い合わせ」よりご連絡ください)

 

3月某日、日本で初めてFSC森林認証紙の認証を受けた三菱製紙の皆さんと一緒に三鷹市生涯学習の市民大学一般教養コースの一課程として講義を行いました。FSC森林認証制度を軸に、日本を含めた世界の森の現状・課題についての講義にはじまり、実際に工場で使われている木材パルプからの紙漉き体験など、盛りだくさんの内容。アクティブシニアの皆さまの旺盛な好奇心が大変印象的でした。

 

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知識欲あふれる31名の皆さんが参加されました。

 

● 森の「今」から一緒に考える、FSCマークとその意義

 

参加者は、三鷹市生涯学習の市民大学一般教養コース31名の皆様。2つのチームに分かれて、講義と紙漉き体験をそれぞれ時間差で受けていただきました。

 

『紙を取り巻く環境を考える』の講義では、FSC応援プロジェクトの高濱謙一が登壇し、「FSCマークを知っていますか?」と問いかけたものの、残念ながらまだまだ知られていない様子。そこで、FSCマークのついた製品や製品パッケージをお見せすると「ああ、何となく覚えがある」とのこと。そんなFSCマークの製品を選ぶと、なぜ森によいのか、森林の活用と保護の観点から解説しました。

 

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FSCマーク入りの製品を見つけてくださいね!とアピール

 

まず「森林を守る」というと、とにかく木を切らないことと考えがちです。しかし、ひとたび人の手が入った森は放置すれば荒れ果て、自然のバランスを取り戻すためには、数百年単位の時間が必要です。そこで、多様な生物が棲む環境を守りながら、適度に森を資源として活用し、その資金を再び森の再生に活用するという「持続性のある森林活用」が有効と考えられています。その現実解の一つが「FSC森林認証」です。

 

会場からは「木を切らなければ元の原生林に戻ると思っていたので驚いた」「荒れた森が土石流などの原因になりかねないと知って怖いと思った」などの感想があがり、「日本の森の資源をもっと活用できるといい」「FSCマーク入りの製品を選ぼうと思った」など、ポジティブなご意見もたくさんいただきました。

 

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FSC森林認証の有効性について紹介

 

また、その地に暮らす動物たちの生態系や先住民の権利を無視し、根こそぎ伐採した上で、畑のように植林をして、さも環境に優しい「植林木」として取り扱われる問題についても解説しました。同じ種類の木しか生えていない環境下では、多くの生物は棲息できません。対してFSC認証森では、自然林と人工林を計画的に配置し、できるだけ連続した生態系としてなじませることで、生物多様性を担保することができると考えています。ここでも「植林すればいいと思っていた」「生態系を意識して森を活用する方法を考えたい」など、“目からウロコ”コメントをたくさんいただきました。

 

書道や短歌、読書などで「紙使い」に慣れ親しんでいる世代。そんな「文化としての紙」を、次世代にも伝えていきたい。また、豊かな森も引き継いでいきたい。そんな思いを参加者の皆さんと共有できた、濃密な時間でした。

 

● 木材パルプからの紙漉き体験に、童心に返ってワクワク

 

続く第二部では、三菱製紙の森のめぐみの体験学習実践チーム「エコシステムアカデミー」主催による「紙漉き体験」を行いました。

 

牛乳パックや楮(こうぞ)などからの紙漉きは、何名かが体験済みとのことでしたが、木材パルプからとなると皆さん初めてとのこと。広葉樹と針葉樹のパルプをそれぞれ用いて、手漉きはがきを作成します。

 

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まずはスタッフの実演から

 

まず、水に溶いた「木材パルプ」300mlをはがきサイズの「漉桁(すきけた)」の中に流し込みます。これで3gの紙になります。均一になるようにならして、そっと枠をはずし、吸水タオルを乗せて水分をよく切ります。

 

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ペーパーナプキンから切り抜いたモチーフを乗せ、さらに吸い取り紙で水分を取ります。そして、すのこから剥がしたら、あと一息!

 

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吸い取り紙と新聞紙に挟み、なんと「自分の体重」で水分を吸い取らせます。最後にアイロンをかけ、自然乾燥させて出来上がり!

 

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皆さん、とてもステキに出来ました!「木の種類によっての違いが面白かった」「1枚は書道の先生に、もう1枚は自分用にとっておきます」と出来上がりにも満足気。いいお土産ができました。

 

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なお使用した木材パルプは三菱製紙の工場で実際に使われており、パイプを通って紙製造工程へと引き継がれ、工程もほぼ同じとか。針葉樹の繊維は長く絡みやすいため強く丈夫な紙になり、広葉樹は繊維が細く、写真印刷など細かい印刷に適した表面がきめ細やかな紙になるそうです。これら2種類の木材パルプおよび再生パルプなどを、紙の用途や種類によってブレンドしています。

 

さらにエコシステムアカデミー 室長の長田雅一さんから、木材パルプを製造する際にできる黒液(蒸解廃液)を燃やして、機械を動かすエネルギーにしていることや、漂白剤をECF(非塩素漂白)へと転換を進めていることなどが紹介されました。

 

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エコシステムアカデミー 室長 長田雅一さん

 

「より環境に配慮した紙作りを目指して、様々な技術開発が行われています。FSC森林認証も含め、ぜひそうした紙を選んでいただければと思います」(長田さん)

 

紙漉きの時は、童心に返って楽しまれていた皆さんも、長田さんの言葉に大人の顔に戻って真剣に耳を傾けていらっしゃいました。

 

楽しみながら、FSCの森や紙について学ぶ出張セミナー。次はあなたの街にお伺いするかもしれませんよ。皆さまのご参加をお待ちしております!

 

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エコシステムアカデミー
福島県西白河郡西郷村字前山西3番地

 

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