森の達人・三崎孝平の樹木雑学

2017.8.15

【第1回】夏休みの自由研究に! アカマツの種で発芽実験

森の木々について森の達人・三崎孝平さん(エコシステムアカデミー)がお届けするシリーズです。これを読んでから森に出かけると、木々の見方がちょっと変わるかも…?

 

マツボックリの種はどこにある?

みなさんが「マツボックリ」と言っているおなじみのあの形。マツの木のそばに落ちているのを見かけることもあるでしょう。あのヒラヒラした感じのところにマツの種があるんです。
 
マツボックリは学問的には毬果(きゅうか)といいます。「毬」という漢字が難しいので、「球果」と書いたりもします。多くの木質の鱗片(りんぺん)が重なって球形や円錐形を形成します。そして、種子は各鱗片の内側につきます。
マツボックリの写真
(上の写真はアカマツの球果です。乾燥しているので鱗片が開き,中のタネが見えます)
 
アカマツの種子が成熟するのは受粉した翌年の10月。マツは受粉してから1年半で成熟し、マツボックリを開いて、種子を飛ばし始めます。種子が飛んだ後もマツボックリはしばらく木についたままです。
マツボックリの1年
①受粉した年の夏の球果。鱗片は固く閉じている。
②受粉翌年の春の球果。
③受粉翌年の夏の球果。
④受粉翌年の秋に球果は乾いて茶色になり、乾燥すると鱗片が開いて種子を散布する。
⑤雨で濡れると、鱗片はぴったりと閉じ、乾燥すると再び開く。
 
 
枝についたマツボックリや地面に落ちたばかりのマツボックリは、鱗片が固くて閉じています。
このマツボックリを集めて室内で乾かすと、鱗片が反り返ってきて隙間が開き、その隙間から羽をつけたマツの種子が出てきます。種子が良く晴れた天気の日に、風に乗って遠くに飛べるように、そして雨の日や湿った日には種子を出さないようにしているのです。これは、自分の種子が親の近くで芽を出さないようにするためなんですよ。
 

アカマツを発芽させてみよう!

机の上でアカマツの種子を発芽させてみることもできるんですよ。
ちょうど夏休みが始まりましたね。
自由研究にいかがですか?
 
①マツボックリはあまり古い物でなくできれば前年の秋に実った物が良いので、きれいな状態もの、そして鱗片はできれば開いていないものを10個くらい拾います。
 
②拾ってきたマツボックリを新聞紙に広げ、日当たりの良い所へ置きます (2日以上) 。
 
③マツボックリの鱗片が開いてアカマツの種子が落ちてきます。

 
④落ちた種子の羽を外し、形の丸い物を数個選びます。

 

小さな皿に「ティッシュペーパー」を敷いて種子を並べます。霧吹きで水を与え(ひたひたになる程度に)たら、さらにティッシュで覆い、水を与えて湿らせます。

 

 

 
その後ラップで覆い、日の良く当たる所に置きます。

 
⑤1週間ほどで種子が割れて写真のように芽が出てきます(写真中央の種)。
発芽したマツ
そうしたら、植木鉢に並べて薄く土をかけます(種が隠れる程度)。
 
⑥1週間ほどで、こんなかわいいアカマツの発芽が見られますよ。

 
発芽に成功したら、ぜひFSC応援プロジェクトのFacebookページにお知らせくださいね!

 
次回はケヤキの話をしますね。
お楽しみに!

 
<「森の達人」こと、三崎孝平さんプロフィール>
環境保全に貢献するという目的で設立されたエコシステムアカデミー(http://ecosystemacademy.jp/)のシニアインストラクターや全国森林インストラクター会会員として活躍中。森の大切さを伝えるため、日本各地の学校や森を飛びまわっています。森や自然がますます身近になる楽しい情報を「樹木講座」としてお届けします。

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